全世代で共通の話題というのは、なかなか見つけることが難しいですが、実は「老後の生活」や「年金」は、老若男女が共通して関心のあること。誰もが「将来いくらもらえるのか……」と気をもんでいます。国民年金も厚生年金も計算式があるので、受取額の見込みは算出できますが、それでは不十分のようです。みていきましょう。
月収39万円・40歳サラリーマン…65歳でもらえる「年金月額」に衝撃「これは悪夢か!?」

老後の生活を支える公的年金…元・会社員なら平均14万円

――老後なんて、ずいぶんと先の話でしょ

 

そう余裕ぶっている人もいますが、若い人でもいろいろと考えているようです。

 

金融広報中央委員会『令和4年 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]』によると、「老後の生活をどう考えているか?」の設問に「心配だ」と回答したのは、20代で75%、30代で85%、40代で86%、50代で83%。「老後の生活費の収入源は?」の質問に「公的資金」と回答したのは、20代で47%、30代で49%、40代で58%、50代で65%でした。この日本では、20代の7割強が「老後を不安」に思い、半数近くが「頼れるのは公的年金」と考えています。

 

老若男女が気になる「老後のこと」、そして「年金のこと」。気になるのは「将来、年金はいくらもらえるのか」ということですが、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人が対象の国民年金であれば「年金額×(保険料の納付月数÷480ヵ月)」で、会社員や公務員などが対象となる厚生年金であれば加入期間が2003年3月までは①「平均標準報酬月額(≒平均月収)×7.125/1000×2003年3月までの加入月数」、加入期間2003年4月以降は②「平均標準報酬額(≒平均月収+賞与)×5.481/1000×2003年4月以降の加入月数」で計算できます。

 

厚生年金額の計算の基礎となる「平均標準報酬額」は、「被保険者であった期間の標準報酬月額の合計」÷「被保険者であった期間の月数」で算出する額で、「標準芳醇月額」は従業員の月々の給料を1~50の等級(厚生年金は1~32)に分けて表すものです。

 

国民年金の保険料は一律ですから、納付した月数によって受給額は変わります。一方、厚生年金は現役時代の給与額と、保険料を納付した月数によって受給額はかわります。

 

その平均値は、国民年金のみの受給者(自営業や専業主婦など)で月5万6,479円、厚生年金の受給もある人(会社員や公務員など)で14万5,665円です(厚生労働省『令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』より)。