近年、結婚、出産ともに平均年齢が上がり、「アラフォー」での出産も増加しています。アラフォー出産は母体・胎児の安全の問題がクローズアップされがちですが、教育資金の確保等の「お金」の問題にも注意する必要があります。本記事では、ファイナンシャルプランナーの坂本綾子氏が著書『子どもにかかるお金の超基本』(河出書房新社)から、「アラフォー出産」をする場合の家計管理のポイントについて解説します。
「アラフォー出産」を考えるなら知っておくべき「子どもの教育資金」のための家計管理のポイント【FPの助言】 ※画像はイメージです/PIXTA

アラフォー出産の注意点

◆教育費の山が人生の後半に

出産の平均年齢が上がっています。第1子が30.7歳、第2子が32.7歳。少子化も進んでいて、出産の可能性がある女性の年齢を5歳刻みにしたとき、ほとんどの年齢で前年より出産数が減っています。

 

そんな中で、増えているのが40代前半の出産です。平均よりも約10年遅れの出産には、体調管理はもちろん、お金の面でも注意点があります。

 

寿命が延びているので、時間はまだ充分にありますが、家族としてのライフイベントが後ろ倒しになるため、家計管理に工夫が必要です。目の前の子育てで手いっぱいになりがちですが、長期的な視点も持つようにしましょう。

 

◆老後資金も意識しながら教育資金を準備する

[図表1]は、30歳で第1子、33歳で第2子を産んだ平均的なケースと、40歳で第1子、43歳で第2子を産んだケースを比較したものです。

 

[図表1]「30歳で第1子、33歳で第2子出産」のケースと「40歳で第1子、43歳で第2子出産」のケースの比較

 

30代前半での出産は、60歳前には子育てが終わり教育費の負担がなくなります。

 

一方、40代前半での出産は、子どもを大学まで進学させるなら60歳前後に教育費の山が来て、すぐに老後も始まります。教育資金と並行して老後資金の準備も始めておかないと、将来、家計が苦しくなるかもしれません。

 

また、50代になると、親の介護が始まるケースもあります。親の健康状態や資産の状況についても気にかけておいたほうがいいでしょう。

 

介護費用は親の年金や資産から出すのが鉄則。そうしないと自分の生活を守れません。年齢が高いと給与も高くなる傾向があり、つい教育費をかけたくなりますが、老後資金との兼ね合いで判断しましょう。

 

出産が後ろ倒しになった分、老後も後ろ倒しにする、つまり人よりも長く働いて収入を確保することも対策として有効です。

 

【アラフォー出産の家計管理のポイント】

・40代は30代よりも給与水準が高いため子どもにお金をかけたくなるが、老後資金の準備も並行して行うことを意識してバランスをとる。

・子どもの教育費がかからなくなる時期に自分が何歳かを確認する。

・子どもが自立してから老後までの期間が短いので、長く働くことで老後資金の準備期間を延ばすことを検討する。