長期に渡る住宅ローン返済。無理のない返済負担率は20%前後といわれていますが、それでも返済が滞ってしまうケースがあるといいます。みていきましょう。
手取り29万円・42歳サラリーマンの幸せ家族だったが…「月9万円」の住宅ローンも返済できず「自己破産」の危機 (※写真はイメージです/PIXTA)

住宅ローンを滞納したら、どうなる?

リストラにあい、もう住宅ローンが払えない……そうなったら、自宅の売却を検討することになります。

 

もし住宅ローンの残債より自宅の売却価格が上回っているアンダーローンの状態であれば問題なく自宅を売却でき、ローン完済後にもお金が手元に残ります。

 

問題は自宅の売却価格が住宅ローンの残債を下まわってしまうオーバーローン状態のとき。自宅を売却しても住宅ローンが残るため、手持ちの資金で不足分を補う必要があります。そもそもオーバーローン状態だと、金融機関から「自宅売却はNG」とされることも多く、行き詰まる場合も。

 

また「すでに住宅ローンを滞納してる……」という場合は、金融機関の許可を得て自宅を売却して住宅ローンを返済する「任意売却」の検討を。仮に住宅ローンが残っても、残債を分割して払うことも可能です。

 

そもそも住宅ローンを滞納すると、「①督促状が届く」→「信用情報機関に記載される」→「③期限の利益喪失通知が届く」→「④代位弁済通知が届く」と続き、そのあと不動産は差し押さえられ、競売に。そうなると任意売却はできなくなります。競売は相場の7割ほどの価格で取引されるので、不動産会社の仲介で売却する任意売却のほうが有利です。また競売で住宅ローンを返済したあとは、返済しきれなかったぶんを一括で返済しますが、返済できないといよいよ自己破産となるのが一般的です。

 

リストラ→ローン滞納→自宅売却→自己破産という最悪のストーリー。ほんのひと握りの人だけが辿るものですが、決して他人事とは思わず、多少の収入の空白期間があっても、ローン返済が続けられる準備をしておきたいものです。