行政窓口で「不当な行政対応」を受けた場合の対処法
【生活保護法】
第4条 保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。
2 民法(明治29年法律第89号)に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。
この生活保護法令を実際に生活保護行政の現場で、個々のケースによって適用する上での具体的な指針が、生活保護の実施要領です。
当事務所においてもこの実施要領は毎年新しいものを購入し、常備していますが、分厚い辞書のようなサイズの何百ページにも及ぶものです。
福祉事務所の職員は、この実施要領に従って適正に仕事をすることと法令で定められていますから、実際私が行政書士として生活保護の申請に同行した現場でも、対応する職員さんが『生活保護手帳』という実施要領や生活保護手帳別冊問答集を机に出して、調べながら対応する姿も幾度も目にしてきました。
◆納得できない説明には、理解できるまで根拠を聞く
行政窓口の一職員の判断だけで、法令により定められた調査義務を果たさないという判断をすることは難しく、また安易にそのような判断をすれば公平性に欠ける、それこそ不当な行政対応になり得るわけです。
納得できない説明が行政窓口でされた場合は、生活保護申請に限らず、
「根拠となる法令の条文を教えてください」
「なんという法律、あるいはいつの通達、具体的な箇所、文言も教えてください」
などと、国民の皆さんは、理解できるまで行政窓口で働く職員に聞くことができます。
◆真に困っている人を救済するのもまた、公正な行政のあるべき姿
生活保護費の原資が税金である以上、資産や収入、他者からの経済援助が実はあるのに、それを隠して保護費を受給しようとしている人ではないかどうか、これを見極め、真に困っている人を救済するのもまた、公正な行政のあるべき姿です。
あの福祉事務所は生活保護受給者が多い地域の管轄だから、調査がゆるいとか、厳しいとかそのようなうわさは気にしないで堂々と申請することです。
生活保護の適用要件や運用については、国が統一的な基準を設けているので、基準が地域によって異なるということはありません。
三木 ひとみ
行政書士法人ひとみ綜合法務事務所
特定行政書士