不動産投資を行う際に気になるのが、投資額に対する利益を表す「利回り」。不動産投資における利回りには、一般的に「最低ライン」などと呼ばれる基準があり、なるべくライン以上の物件を選ぶのが良いといわれています。しかし、これを鵜呑みにして良いのでしょうか? 考えていきます。
不動産投資「利回りの最低ラインは5%」を鵜呑みにしていいのか? (※写真はイメージです/PIXTA)

 

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不動産投資の利回り最低ラインは?

不動産投資において、一般的に目指すべきとされる利回りがあり、インターネット等で「利回り最低ライン」などと調べるとよく目に入ります。いわく、最低ラインを下回る物件を選ぶと、補修・修繕、空き部屋といった影響を受け、利益を生み出しにくくなるというのです。利回りの最低ラインについて詳しくは、以下の記事でも解説しています。なお最近の利回り最低ラインはおおよそ「5%」と考えられています。

 

しかし、ここからが問題です。これから不動産投資を始める人は、必ず利回り5%以上の物件を選ぶべきなのでしょうか?

 

結論としては「NO」です。利回りはご自身の目的に合わせて、適切な基準を設定することをおすすめします。無理に最低利回りライン以上の物件を探そうとすると、逆に次に示すような失敗をしてしまうこともあるのでご注意ください。

 

・長期的な需要を考えなかったため利回りが減少してしまう

・目的の物件に投資するため、無理な資金計画を立ててしまう

 

不動産投資で物件を探す際には、大前提として「目的によって成功(必要な利益額)の定義が異なる」ことを理解し、自分に合う最低ラインを決めてから動き出しましょう。

不動産投資の運用で大切なポイント2つ

不動産投資にチャレンジする方は、以下2つのポイントを押さえたうえで動き出しましょう。

 

ポイント1.最低利回りを自分で決める

まずは、自身が目標とする最低利回りを決めることが大事です。なかでも投資家が利用するのは「実質利回り」の計算式です。

 

・実質利回り(%)=(年間収入ー年間諸費用)÷購入金額×100

 

例として、物件購入額が1,000万円、諸費用が年間10万円、収入が年間60万円であれば、実質利回りは「5%」です。この状況が20年間続けば、物件購入額を返済でき、その後は利益を生み出せるようになります。

 

ただし、以下のような目的で動く人の場合、上記の利回りよりも低く設定可能です。

 

・老後資金の準備として不動産投資を始めたので、もう少し先から利益が出ても問題ない

・ハイリスク・ハイリターンな投資を避けたい

 

高利回りの物件は、収入を大きくできるという魅力がある一方、空き部屋リスクなどがあるため、高いリスクを伴います。そのため、安定的に利益を獲得しつつ損を避けたいという場合には、最低利回りのラインを少し低く見ておくことが効果的です。

 

また、後述する内容となりますが、不動産投資の運用を安定化したいなら3.0〜3.5%の利回りで動くことをおすすめします。

 

ポイント2.利回りに影響するポイントを洗い出す

前述した計算例の中で、特に影響するのが「収入」と「諸費用」です。この2つの要素は利回りを決める重要なポイントなので、投資物件を決める前に影響する要素を洗い出しておきましょう。

 

【収入に影響するポイント4つ】

1.空き部屋率

2.想定居住者とのマッチ度

3.立地エリア

4.需要

 

【支出に影響するポイント3つ】

1.建物の老朽化に対する維持管理費

2.仲介手数料

3.不動産投資ローンの利率

 

収入は空き部屋率がカギを握ります。満室の場合は満額の収入を得られますが、空き部屋があると収入は減少します。その条件となるのが、居住者のニーズや住みやすさです。

 

また、支出に関わるのは、物件の維持管理費や手数料など人によって条件が異なります。事前にどういった不動産投資を行うかをイメージした上で支出額を想定し、利回りを検討してみてください。

 

上記の洗い出しが完了すれば、あとは目的とする利回りに当てはめるだけです。事前準備を万全に行っておけば、安定的に利益を獲得できるでしょう。

 

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