(※写真はイメージです/PIXTA)

加齢などが原因で発症する変形性股関節症。人工関節手術で根治する手段もありますが、人工関節の劣化による再手術や、入院期間が長いなどのデメリットが大きく、なかなか手術に踏み切れない人も少なくありませんでした。しかし近年「人工股関節置換術」が急速に進歩したことにより、手術へのハードルが下がったと、世田谷人工関節・脊椎クリニックの塗山正宏先生はいいます。66歳で手術を決めた女性の事例をもとに、専門医が解説します。

「もっと早く手術すればよかった」と後悔する前に

山本さんのように、重度の変形性股関節症に長年悩みながらも、「人工股関節はある程度年数が経ったら、再手術が必要」「入院期間が長くて、回復が遅い」など、ひと昔前の情報に囚われて、手術に踏み込めない人が少なくありません。

 

しかし、私の患者さんは術後、「もっと早く手術をすればよかった」とおっしゃる方がほとんどです。 山本さんは、「以前の私のように、痛みを我慢しながら生活をしているなら、勇気を出してぜひ手術を受けてみてほしい。『痛みのない世界へようこそ!』という気持ちで、背中を後押ししたいです」とおっしゃいます。

 

めざましい勢いで、人工股関節置換術は進化を続けています。現在、用いられている人工股関節は耐久性に優れているため、50代以降で人工股関節置換術を受ければ、おそらく一生涯、使用し続けることができるでしょう。

 

「痛みを抱えながら、渋い顔で何十年も暮らすのか」それとも「手術には勇気や思い切りが必要かもしれないけれど、その後、快活で生き生きとした人生を送るのか」。 変形性股関節症など、股関節周辺の痛みに悩む方は、ぜひ一度考えてみてほしいと思います。

 

 

世田谷人工関節・脊椎クリニック

塗山正宏

 

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