(※写真はイメージです/PIXTA)

加齢などが原因で発症する変形性股関節症。人工関節手術で根治する手段もありますが、人工関節の劣化による再手術や、入院期間が長いなどのデメリットが大きく、なかなか手術に踏み切れない人も少なくありませんでした。しかし近年「人工股関節置換術」が急速に進歩したことにより、手術へのハードルが下がったと、世田谷人工関節・脊椎クリニックの塗山正宏先生はいいます。66歳で手術を決めた女性の事例をもとに、専門医が解説します。

術後9日間で退院…たった1回の手術で痛みゼロに

「人工股関節置換術」とひと口にいっても、手術に要する時間や入院期間は医療機関によって異なります。侵襲の少ない術式なら手術時間も短くなりますし、その後の回復もスムーズ。山本さんは術後わずか9日間で、日常生活を取り戻すことができました。

 

術後3ヵ月でスポーツジムに入会…山本さんのその後

人工股関節置換術の手術時間は、一般には90〜120分とされています。しかし、当院では入念に術前のシミュレーションを行うため、手術時間を最短にするための工夫を凝らしており、山本さんの場合、両脚の手術は重度の股関節の可動域制限があったため通常より時間がかかりましたが、100分で終わることができました。

 

手術時間が短いということは術後、回復の早さにもつながります。山本さんは手術当日から歩行訓練を開始され、すぐ、杖の支えを借りながら自力で歩行ができるまでになり、術後9日目に退院されました。

 

「先生に手術を成功してもらったから、今度は自分が頑張る番。リハビリは一生懸命、取り組みました」。山本さんは当時のことをそう振り返ります。退院し、すぐに日常生活が始まり、3ヵ月後にはスポーツジムに入会。股関節の痛みでほとんど運動をすることができず、衰える一方だった筋力を取り戻す努力を始められました。

 

関節の隙間がなくなり、股関節の変形が進んでいる
[画像1]術前のレントゲン写真 関節の隙間がなくなり、股関節の変形が進んでいる

 

人工股関節(インプラント)に置換され、脚長差が改善されている
[画像2]術後のレントゲン写真 人工股関節(インプラント)に置換され、脚長差が改善されている

 

5分も歩けなかった状態から、1万歩歩けるように!

術後3ヵ月間は1〜2週間おきに通院していただき、人工関節の様子を確認しながらリハビリを行っていました。その後は1ヵ月に1度のペースとなり、現在では1年に1度、検診を受けていただいています。現在レントゲンとCT検査を行っても何も異常は見つからず、緩みなどもありません。

 

以前は5分以上、連続して歩くことができませんでしたが、いまは1日1万歩を歩いても、まったく痛みや違和感を覚えないそう。 「息子と一緒に日本全国を旅行するのが夢」と、いきいきとした表情で語ります。

 

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