【年収】妻が1,100万円・夫は320万円の格差婚夫婦…住宅購入を決断
格差婚という言葉は、ここ数年よく聞かれるようになった言葉です。意味としては、夫婦どちらかの年収や学歴、社会的ステータスが一方よりもはるかに高い状態のことを揶揄する言葉です。女性のほうが高い状態の場合、「男性のほうが収入は上であるべきだ」というジェンダーの偏見と差別にも繋がっています。
本来、格差など当人同士が問題でなければなにも障害にならないものです。この記事に登場するTさん夫妻もそうでした。結婚した当初は知人や親戚、挙句の果ては親までもがその収入の格差を心配したものの、妻が「ジェンダーには囚われたくない」という意思のもと結婚を決断しました。
夫のRさんは37歳。小さな自動車整備工場で整備士をしています。年収は320万円。一方、妻のKさんは35歳。テック企業でマネージャー職をしていて、年収は1,100万円。4歳の娘さんがいます。
Rさん夫妻は結婚当初からお互いの収入のことは話題にせず、世帯年収として捉えるという暗黙の約束をしていました。夫のRさんはあまりにも収入が違う妻のKさんに引け目を感じていたものの、Kさんは「性別の役割の古い慣習にはこだわらずに生活しよう」と夫に働きかけ続けたのです。
そんなRさん夫婦が住宅を購入したのは3年前のこと。「返済の自信がない」と不安を隠さない夫Rさんでしたが、妻Kさんは「家計から支払うのだから」と諭しました。購入したのは約5,000万円の分譲住宅でした。
住宅ローンはペアローンを利用し、夫Rさんは1,500万円、妻Kさんは3,500万円の借り入れとしました。当然その割合に応じて持分登記しました。妻Kさんには在宅勤務もしやすく、娘さんものびのび過ごせる新しい家に満足していたのですが……。
住宅購入から2年が経過…夫の衝撃事実が露呈
住宅購入して2年が経ったあるころから、夫の行動に違和感を覚えるようになりました。妻Kさんにとっての最初の違和感は、突然夫宛てに届いたグレーの封筒でした。差出人の名前はなく、住所と「OOタワー5階」などという建物表記だけ。不安に思ったため検索してみると、どうやら消費者金融からの督促状である可能性がありました。
「消費者金融からお金を借りているの? 服も車も大して高そうなものは買っているように見えないけれど……」
妻Kさんは夫に直接言い出せず、毎日不安に思っていたころ、さらに追い打ちをかけるような展開となっていきます。
妻Kさんが出張で2泊ほど家を空けて帰ったところ、ベッドに長い髪の毛が落ちていました。Kさんの髪の長さではありません。それも1本だけではなく数本落ちていたのです。
悩んだ末に妻Kさんは興信所に調査を依頼。嘘の出張の予定を夫に伝え、娘とともに自宅近くのホテルに泊まりました。興信所から報告されたのは、「女性が自宅に出入りしていた」という事実でした。はっきりと顔が映った写真も渡され、「こんな男だったなんて……!」妻Kさんは愕然としてしまいます。夫は不貞行為をしていて、妻の留守中になんと相手を自宅に入れていたということです。
妻Kさんは激しく怒り、夫に写真を見せて問い詰めました。 最初は否定していた夫でしたが、ついに事実を認めました。さらには消費者金融数社に借り入れがあり、一部滞納していることも。すべてのクレジットカードが強制解約されてしまったことも。それは不貞行為のために必要なお金だったということでした。
「女が平気で出入りしていた家にもういたくないです。あのベッドに寝るなんて汚らしい。離婚してください」
妻Kさんはそう伝えました。
「私の住宅ローンの残りは、あなたとその女が買い取ってください。私はもうこの家には住みません。お2人でどうぞ住んでください」 そういって、そのまま娘さんと実家に帰りました。