靴底の減りが「左右違う」場合は、足の長さが違うかも
靴底を左右見比べて、まったく同じようにすり減っている人は、ほとんどいないでしょう。しかし、その左右差があまりにも大きい場合は、左右の脚の長さが違うことが考えられます。
左右の脚長に違いが生じる原因には、変形性膝関節症や変形性股関節症などさまざまありますが、脚の長さが左右で違うと、膝や腰に負担がかかり、膝痛、腰痛などを引き起こします。またそれだけでなく、全身の荷重バランスが悪くなることから、首こりや肩こり、頭痛など、さまざまな部位に症状が生じることもあります。
また、脚の長さに左右差があると、背骨が弯曲して側弯症を引き起こすこともあり、場合によっては腰背部痛や心肺機能の低下をきたすこともあります。
実際のところ、左右の脚の長さがまったく同じという人は少なく、1cm程度であれば、それほど気にならない場合もあります。
しかし、わずかな違いでも、骨盤や背骨に与える影響は大きなもの。整形外科などを受診し、脚長差が生じる原因を確認し、適した治療を行うことが必要です。特に、脚長差が3cm以上ある場合は負担が大きくなるため、注意が必要です※。
靴底の減り方を見ると、膝関節や股関節などにトラブルが生じているサインが見えてきます。もし、靴底の減りの左右差が大きい場合は、足底板やインソールを試してみるのもいいでしょう。歩行時の体重のかかり具合を調整することで、左右均等に体重がのるようになり、膝関節や股関節への負担を軽減できるかもしれません。
理想的な「靴底」の状態は?
理想的なのは、靴の後ろの外側(かかとのあたり)と、足の人差し指辺りを中心に減っている靴底です。
このような減り方の場合、しっかりかかとから着地し、外側と内側に、均等に体重が乗っていることがわかります。もし、その他の部分が異常にすり減っているという場合は、ぜひ一度、専門医を受診することをおすすめします。
塗山 正宏
世田谷人工関節・脊椎クリニック
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