日本国内が祝日でも世界の為替市場は動き続けています。1ヵ月後にGWを控え、祝日が連日で続く日本ですが、初心者トレーダーは祝日に注意すべきと、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏はいいます。一体なぜなのでしょうか? 祝日における相場の値動きの特徴を解説していきます。
初心者はたった1日で大損の可能性も…「海外の大口トレーダー」がこぞって「日本の祝日」を狙うワケ【FXのプロが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

日本が祝日でも世界の為替市場は動いている

日本には多くの祝日が存在します。多くの企業が祝日に休みをとるなか、株式市場も同様に取引がストップします。為替市場と株式市場は密接な関係があり、どちらか無くして相場を予想することは極めて難しいでしょう。

 

株式と為替の関係を意識するなかで、FXトレーダーとして覚えておきたいことは、祝日でも世界の為替市場は動いているということです。日本では祝日でも、世界から見ると普通の平日でしかありません。

 

国内トレーダーがいない場面で、急な価格変動はよく起こります。祝日の値動きの特徴を抑えておけば、無駄な損切りや機会損失を事前に防ぐことができるでしょう。

国内株式市場が止まる = 大口がいなくなる

(※画像はイメージです/PIXTA)
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祝日には、日経平均株価やTOPIXなどの日本の株式市場はすべて休場となります。そのため、国内株式を取り扱うディーラーや大口の投資家は、取引したくても株式を買うことはできません。株取引ができない期間は利益を生み出せないため、普段大きな取引をしている国内の大口のトレーダーは相場に参加しません。

 

FXで取引しているトレーダーであれば覚えておきたい重要事項のひとつが、「株式と為替の関係性」です。株式と為替を別個に考えてしまうと、思わぬところで不利益を被ることがあります。

 

各国の株式は、その国の通貨でしか買うことができません。たとえば、日本円でアメリカ株を買いたいときは、一時的に日本円をドルに両替して、ドルでアメリカ株を購入します。日本株も同様に、海外投資家が日本株を買うときは、一時的に通貨を日本円に両替してから株式を購入します。一時的に両替するという行為には、為替が関係してきます。株式が買われすぎると、その国の通貨の需要が大きく高まるので、通貨高を招く要因になったりします。この関係を利用して、大口のトレーダーは為替差益を得ようと為替市場に参入します。

 

しかし、株式市場が休場のときは、株式と為替の関係をうまく利用できないため、市場参加者が減ってしまいます。

土日以外は24時間取引がある為替市場

(※画像はイメージです/PIXTA)
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株式市場に対して、為替市場は、祝祭日に関係なく24時間取引することが可能です。為替は両替をすることが目的なので、世界中の休日の共通認識である土曜日と日曜日以外は稼働しなければなりません。

 

株式市場が休みの祝日と平日とでは、為替市場に参加するトレーダーが異なっています。祝日にFX相場に参加するのは、日本にいる個人トレーダーや海外に在住する外国人トレーダーです。特に、海外に拠点を置く海外の大口トレーダーが相場の主導権を握ります。

 

前述したとおり、平日は両替目的のトレーダーが多くいますが、祝日に参加するトレーダーの多くは、為替差益を狙っています。また、為替差益を狙うトレーダーのなかには、海外の個人投資家などが多く含まれています。

 

海外のトレーダーは、祝日の大口のトレーダーがいないタイミングを見計らって、相場を大きく動かそうとするのです。損切りの注文を入れていないFX初心者などは、このタイミングで大きな損失に巻き込まれてしまうことがあります。