FXを始めてしばらく経ち、トレードに慣れてくると「過去に似たような値動きがあった」と感じる場面が増えてきます。しかし、そのようなときほど素人トレーダーは大損する可能性が高いと、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏はいいます。なぜなのでしょうか、みていきます。
FXに慣れてきた素人トレーダーほど「大負けリスク」が高まるワケ【プロが警告】 ※画像はイメージです/PIXTA

プロトレーダーにとって「仮定」は「確率」に過ぎない

人は経験上、「OOという条件があればXXとなるだろう」という仮定を立てて日常に起こる問題を解決しています。FXにおいても、このような仮定をもとにトレードしている人は多いはずです。プロトレーダーは、このような仮定を確率として捉えて、日々のトレードに活かしています。一方、初心者トレーダーのなかには、仮定を確率ではなく、信念として考えてしまう人がいます。このような信念は「誤った思い込み」へと変化しやすく、大きな損失を招く要因になります。

 

今回は、日常生活で無意識的に行なっている「思い込み」をトレード時に排除する必要性を解説していきます。

 

日常生活の「意識的な行動」と「無意識的な行動」

人の行動には、大きくわけて「意識的な行動」と「無意識的な行動」が存在します。「意識的な行動」とは、自分が意図したことに対する行動のことで、「寝坊しないためにアラームをかける行動」や、「喉が渇いたから水を飲む行動」のことを指します。

 

対して、「無意識的な行動」とは、自分が意図していないのに起こす行動のことを指します。たとえば、「考えごとをするときに腕を組む行動」などが挙げられます。無意識的な行動は、なにかをしたいからしている訳ではありません。例に挙げた無意識的行動も、考えごとをしたいから腕を組んでいる訳ではありません。無意識的な行動は、本人が気づいていないだけで、日常生活のなかに数多く存在しています。

 

この「無意識的な行動」を、自分のなかで意識する習慣にすると、トレードにおいて成果を出せる可能性が大きく高まります。トレードにおける無意識的な行動を分析するために、まず、日常生活における無意識的な行動に目を当ててみると、新たな発見があるでしょう。

 

トレードにおける「思い込み」に気づく

日常生活と同様に、トレードでも無意識に行っていることは多くあります。しかし、ゼロサムゲームであるFXにおいて、無意識的行動はときにトレーダーを大きく狂わせてしまうことがあります。

 

たとえば、大きく相場が動いたときに「そろそろ反転するだろう」と根拠もなく逆張りのポジションを持とうとする人がいます。このようなトレーダーは、無意識のうちに、一方向に大きく動けばいずれ反転するので、逆張りをすれば儲かるだろう、という発想に支配されています。

 

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

トレードにおける無意識的行動は、「思い込みトレード」に結びつくことが多くあります。思い込みによるトレードが習慣づくと、自分では考えているつもりなのに、なかなか結果に結びつかない、という苦難に直面します。

 

また、思い込みによるトレードは、考え方を固執させる傾向があり、変化が激しい相場を柔軟に捉えることを阻害します。その結果、なかなか損切りができずに、どんどん含み損を膨らませてしまう、というケースに陥ります。