NISA口座を開設する人が増えるなど、投資未経験者の投資への関心が昨今は高まっています。一方、最近では若者を対象としたSNS等を通じた投資詐欺が増加しています。投資詐欺から身を守るためには、まずリスクとリターンの関係性を理解しなければなりません。本連載では全国の学校で金融教育の出張授業を実践する盛永裕介氏が実際の授業内容をレポートします。
「絶対に損させません!」超ベタな投資詐欺にひっかかる「アラウンドZ世代」が1年で2倍に急増【金融教育プランナーが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

投資詐欺から身を守るための4つのポイント

高校生や大学生を対象とした投資詐欺から身を守るための授業を度々行っていますが、大学生からは「実際に投資案件をDMで受けた」「友達から投資の勧誘されたことがある」「SNSで怪しい広告を見かけた」などの声が上がっています。そのため、授業では以下の4点を心がけるように強調しています。

 

1)聞き馴染みのない名前の投資案件に対しては、一旦踏みとどまること
2)「元本保証」「高利回り」といった言葉には疑いをもつこと
3)「月利5%」「年利30%」という投資案件は要注意。高いリスクの米国株式でも年利回りは8%程度であるため、それ以上の数字には疑いをもつこと
4)投資案件を勧誘してきた人は、政府や自治体が認可した「免許」を持っているのかを確認すること

 

まとめ

筆者も大学生時代に怪しい投資勧誘をされた経験があります。まだ貯蓄や収入が少ない若者に対して、少額から投資を勧誘したり、借金をさせて投資をさせたりなどの事例も報告されています。詐欺師に渡してしまったお金は簡単には戻ってきません。「手間や時間をかけずにお金を増やす方法」ではなく、まずは、「自分のお金を守る方法」について考える必要があるでしょう。

 

 

盛永 裕介
(株)Japan Asset Management JAM Academy 塾長

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出典:

1)auじぶん銀行株式会社(2022)「Z世代とミレニアル世代の大学時代の価値観に関する調査」

2)三井住友トラスト・資産のミライ研究所(2021)「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」

4)金融広報中央委員会(2021)「家計の金融行動に関 する世論調査(二人以上世帯調査)(2020 年)」

5)日本証券業協会(2020)「個人投資家の証券投資に 関する意識調査」

6)警察庁(2022)「令和3年における生活経済事犯の検挙状況等について」