不動産価格の高騰は続き「東京で家を持つ」という夢は遠のくばかりですが、一般人であっても勝ち組とされる夫婦であれば2馬力で都心のマンションが実現します。その先に待っているのは明るい未来……とは限らないとか。みていきましょう。
年収1,700万円の40代「勝ち組夫婦」…憧れの都心マンション購入も一転、破産に直面する「無茶すぎた住宅ローン月額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

勝ち組夫婦は陥りがち…「2馬力だから大丈夫」でハイグレードマンション購入の落とし穴

一方、夫婦合算でマンション購入を考えるとどうなるでしょう。借入は8,500万円まで可能。月々の返済は28万~35万円ほどであれば、余裕な返済プランといえる範疇。勝ち組夫婦が共に協力すれば、マンション価格高騰で騒がれているなかでも、東京都心のマンションを検討できるというわけです。

 

1馬力であろうと、2馬力であろうと、余裕ある返済プランなのだから考え方次第、というのは早計。「イケイケ派」の場合、余裕と考えていたローン返済がたちまち行き詰まることがあるのは想像のとおりです。

 

堅実派とイケイケ派、共に余裕ある返済プランの場合、単純に月々の返済額には10万円以上の差が生じます。堅実派であれば片方が収入減となってもカバーすることは容易ですが、イケイケ派だとそうはいきません。収入減がローン滞納に直結し、せっかく購入したマンションを手放さなくてもいけない事態に。世帯年収ベースでローン返済を考えると「年収減少リスク」は途端高くなるのです。

 

さらにイケイケ派の勝ち組夫婦の場合、適度な返済額を超えるケースが多いと専門家は警鐘を鳴らします。彼らは「グレードの高いマンションに住みたい」という欲が強く、「あっちもいい」「こっちもいい」となりがち。お互いに高収入という背景もあり、「2人で頑張れば大丈夫だろう」という返済プランを組みがちなのです。

 

よく言われる返済負担率の限度は35%。年収1,700万円であれば、金利年0.5%として、月返済額は50万円ほど、20年返済で1億1,000万円程度の借入が可能となり、よりハイグレードな暮らしが手に入ります。何もなければ確かに返済を続けていくことはできますし、年齢が上がれば年収アップも見込めます。最初は返済が大変でも段々と余裕が生まれてくることも。しかし「年収減少リスクが高い」という状況は、常に隣り合わせであることに変わりありません。

 

これらのリスクを許容できるか、それとも許容できないかは人それぞれ。「ちょっと背伸びしている感」が出ている勝ち組夫婦の場合、「綱渡り状態」にあることを十分認識して、対策を講じる必要があります。