国家公務員宿舎新設に世論は驚くほど好意的
――国家公務員宿舎、13年ぶり新設
このニュースが流れたとき、また批判の声であふれるかと思えば、意外なほど肯定派が多く、驚いた人も多いのではないでしょうか。ただ今回、肯定派というよりも“同情派”といったほうがいいかもしれません。
――いまどき、バランス釜のお風呂ってない
――本当に人が住んでいるのか、というほどボロボロ
――住んでいるのが恥ずかしくなるレベル
――地震がきたら、確実に崩れる
――人間らしい暮らしができるとは思えない
国家公務員宿舎に対するマイナスの言葉が並び、「そりゃ新しくしないとな」と誰もが思ったに違いありません。もちろんすべての国家公務員宿舎がそうとはいいませんが、世間のイメージほど立派なものではないケースが多いようです。
今回、葛飾区・東京拘置所の隣にある刑務官向け宿舎を取り壊し、その一部を活用して建設。14階建ての446戸で、2029年度の入居開始を見込んでいるそうです。整備費用は約90億円といいますが、首都圏の老朽化した宿舎の売却益を建設費に充てるなど、国民負担が生じないような配慮も。これも公務員へのバッシングを避けるためのものかもしれません。
ただ今回の新設予定地に「こんなところに建てるなんて……」と、立地に対する憐みを口にする人も。
予定地から最寄りとなる東武伊勢崎線「小菅」駅までは徒歩14分ほど。またJR常磐線・東京メトロ千代田線「綾瀬」駅までは徒歩18分ほど。単純計算、「霞が関」駅まで、「小菅」駅利用で片道50分ほど、「綾瀬」駅利用で40~45分ほど。東京近郊に住んでいる会社員であれば「むしろ近い」と思うかもしれませんが、ここに住むことを予定しているのは、国会対応や法案作成の業務に従事し、深夜・早朝勤務が多い職員らだといいます。
国会開催中には「不夜城」と称される霞が関。「いつ帰っているんだろう」と、思わず心配してしまう人たちが新しい宿舎に入居する予定だといいます。
――往復で1時間半以上……できることなら、もっと近くに住めるよう配慮してあげて
多くの人が口にしています。