団塊ジュニアの50歳サラリーマン…将来手にする衝撃の年金額
団塊の世代とともに、団塊ジュニアは人口が多いため、社会に与えるインパクトも大きくなります。その代表格が2040年問題。これは団塊ジュニア全員が公的年金をもらう65歳を過ぎるころ。現行の制度では対応できず、改革・改正が必須とされています。
たとえば50歳のサラリーマンがいたとします。平均月収は41.2万円、年収は671万円ほど*。仮に20歳から60歳まで、ずっと平均的な給与を得てきた「ザ・平均サラリーマン」がいたとすると、平均標準報酬額は44万円。65歳からもらえる年金の厚生年金部分は9.6万円で、国民年金が満額だとすると、月15万円を手にすることになります。
*厚生年金『令和3年賃金構造基本統計調査』より
ただこれは、現行の年金制度だったらの話。5年に1度行う「財政検証」で2040年代の所得代替率として想定しているのは50%ほど。いまよりも2割減少しています。つまり20年後の年金は2割目減りが確実視だといえます。さらに最悪の場合は所得代替率36~38%ほどとしていますから、年金4割減も覚悟しておく必要があるのです。
そして2040年以降、2052年までは後期高齢者の人数は増え続けるとされています。その間、社会保障費は膨らみ続けます。それをどうにかする余力がこの日本にはあるとは到底考えられません。つまり「団塊ジュニアはすでに終わっている」といっても過言ではないのです。
団塊ジュニアより下の世代はまだ時間が味方してくれます。「年金に頼れないなら、自分で何とかする」ということが可能なわけです。しかし定年まであと10年ほどの団塊ジュニアの多くは、すでに年金を中心とした老後設計をしているでしょう。しかしライフ&マネープランは、すでに崩壊していると言わざるを得ません。いまから修正といっても時間は足りず、すでにゲームオーバー……。
少子高齢化に伴う問題と解決に向けて、いまさまざまな改革が行われようとしています。それには痛みを伴うものもあるでしょう。その痛みを最初に受けるのが団塊ジュニア。この世代を切り捨てるのか、それともなんとか救うのか。まさにいま、正念場です。