1億円を超えるタワーマンション…そんなに高くて誰が買う?
――不動産が高すぎる
マイホームを検討している人たちは、そうため息をついているに違いありません。国土交通省が公表している『不動産価格指数』によると、不動産価格指数(住宅)(令和4年11月分・季節調整値)は前月比0.2%増の133.9。戸建住宅は116.0、マンション(区分所有)は187.1でした。これは2010年平均=100とした数値。つまりおよそ10年強で、マンション価格は2010年対比187%、およそ2倍にもなったということになります。
さらに東京だけに限ると、マンション価格指数は、2022年11月で184.1。前年11月が170.5なので、この1年で15ポイントも上昇したことになります。
――もはや、東京でマイホームなど無理なのか
そう、肩を落とす人も多いでしょう。不動産経済研究所によると、2023年1月に東京都区部で発売した新築マンションの平均価格は8,455万円。前年同月比13%アップで、「不動産価格の高止まり」というニュースもありますが、まだまだあがり続けているようです。
マンション価格の高騰を牽引するのが、全国各地で増え続けるタワーマンション。街の防災力強化を目指した区画整理や、高度成長期に開発された街や建物が更新となる時期が重なり、各地で再開発ラッシュ。そしてセットで計画されるのが「大規模タワマン」というわけです。その価格は「タワマン」というだけで、周辺の同程度の物件よりも3割ほど高くなるというのが一般的。東京区部であれば、平均値の3割増しで、1億0,991万円。「タワマン」というだけで億を超える、というわけです。
仮にその価格のタワマンを購入しようとしたら、どのような返済プランになるのでしょうか。返済方式は元利均等、金利は0.5%で30年返済、物件価格の1割を頭金として払った場合で考えてみます。
支払総額は、1億0653万4,018円、利息だけで762万4,018円になります。月々の返済は29万5,928円。家計に影響を与えないよう、返済負担率を25%とすると、年収は1,420万4,544円。もはや、年収1,400万円以上とされるパワーカップルでも、頑張らないと買えない、という水準です。