(※画像はイメージです/PIXTA)

お得な相続対策の制度として主に富裕層に人気があった「教育資金贈与」の非課税制度がまもなく2023年3月末日に期限を迎えます。4月以降も延長されますが、内容は大幅改定され、相続税対策のメリットは大幅に失われることになります。ちょうど新学期・新入学シーズンを控え、今が最後のチャンスといっても過言ではありません。本記事では、今月中に現行の「教育資金贈与」の非課税制度を利用するメリットについて解説します。

4月以降は「使いきれなかった残額」へのペナルティが…

しかし、2023年4月以降の新制度においては、孫等が贈与を受けた額を使い切れなかった場合、残額にかかる相続税または贈与税の課税が強化されることになりました。いい換えれば、残額があったらペナルティが課せられるということです。

 

贈与者が「途中で亡くなった場合」と、「孫等(受贈者)が30歳に達するまで生存した場合」とに分けて概説します。

 

◆贈与者が途中で亡くなった場合

まず、贈与者(祖父母等)が途中で亡くなった場合です。厳密には、贈与者が亡くなった時点で受贈者(孫等)が23歳未満である場合や、学校等に在学している場合です。

 

現行制度においては、それまでに受贈者が使い切れなかった残額に相続税は課税されません。

 

しかし、2023年4月以降は、贈与者の死亡時にける資産の相続税の課税価格が合計5億円超だと、残額が相続税の課税対象となります。

 

しかも、受贈者が孫、ひ孫等の場合、法定相続人ではないので、いわゆる「2割加算」が行われます。

 

◆贈与者が孫等(受贈者)が30歳に達するまで生存した場合

次に、贈与者(祖父母等)が、受贈者(孫等)が30歳になるまで生存した場合です。

 

現行制度においては、それまでに受贈者が使い切れなかった残額に贈与税が課税されるものの、直系尊属(祖父母等)からの贈与ということで、税率が低くなっています(特例税率)。

 

しかし、2023年4月以降は、「特例税率」ではなく、高い「一般税率」が適用されることになります。

 

このように、教育資金贈与は、2023年4月から、残額に対し課税強化がされるというペナルティが付され、相続対策としての利用が大幅に封じられることになったのです。

 

このように、現行の教育資金贈与の非課税制度は、孫等に対するプレゼントと相続税対策を兼ねるウッハウハの制度ですが、それもこの3月いっぱいまでです。

 

もし、現行制度のメリットを享受したいのであれば、今月中に行うことをおすすめします。

 

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