初めての確定申告…T氏が苦戦した「3つ」のポイント
1.必要書類の整理
確定申告をするにはまず、収入(売上)と支出(経費)がわかる明細書や請求書、領収書といった、申告に必要な数字を集計する必要がある。
T氏が投資している不動産に関しては、購入した会社から1年間の収支が集計された一覧表が送られてきたため、これを見て作成すればよい。そのほかにも、不動産投資のために勉強した書籍や、情報を調べるために利用したパソコンやインターネット費用も経費になると聞き、それらの領収書や請求書もまとめておいた。
「これで大丈夫だろう」と思ったが、投資用不動産ローンの返済予定表を紛失していることに気づいた。これでは支払った金利分がわからないため、銀行に再発行をお願いした。
また、T氏は趣味でやっていた革細工を副業にしようと考えていた。まだ販売はしていないものの、準備段階で必要経費になりそうな領収書や請求書、支払い履歴等をT氏はまとめておかなかったため、それらを探したり、再発行したりするのに手間を要した。
このように、確定申告直前に必要書類を集めようと考えていると、見つからなかったり忘れていたりで、正確な数字がわからなくなってしまう恐れがある。確定申告を見据え、毎月コツコツと集計しておくことが重要だ。
2.確定申告書の作成
確定申告書は前述のように、国税庁のホームページ上で作成することができる※。
T氏は同僚から、「簡単に作成できる」と聞いていたが、いざ「ご利用ガイド」を参考に作成しようとすると、わからない用語が次から次へと出てきた。最初のうちはその都度ネットで検索して調べていたが、それでもわからないことが続くとイライラが募る。
さらに1人で作成していたT氏は、入力した項目も正しいのか間違っているのかわからなくなり、ついにホームページ上での作成を断念してしまった。
その後、必要になるであろう書類をすべて持って管轄の税務署に駆け込み、職員にマンツーマンで作成を手伝ってもらった。しかし不足している書類があり、不備が出るたびに自宅と税務署を5回ほど往復することに。その後、ようやく手書きで確定申告書を完成させ提出することができた。
ホームページ上での確定申告書の作成が難しい場合、毎年確定申告の時期になると各地域自治体に相談窓口が設置され、そこでサポートを受けることができる。しかし、ここでも必要書類をまとめておかないと2度3度と足を運ぶことになるため、準備が重要だ。
頑張って確定申告書を完成させたかいがあり、節税金額は約40万円に。ご満悦のT氏であった。