世帯年収1,200万円の共働き夫妻、湾岸エリアのタワマンで新婚生活スタート
千葉県に住む34歳のA氏は、都内の上場企業の子会社に勤務しており、年収は750万円ほど。職場で知り合った31歳のB氏と結婚し、新居を探していた。B氏の年収は約450万円で、当時の2人の合計貯蓄額は約800万円。B氏は結婚後も仕事を続けるため、世帯年収はおよそ1,200万円。新生活のスタートには十分余裕があると考えていた。
不動産業者の“営業トーク”でタワマンの購入を決意
新居探しでは、1時間以上かかる通勤を負担に感じていたため、必須条件として「都内人気エリアの駅チカ物件」としていたA夫妻。年収1,000万円以上の世帯は12.6%(※)といわれるなか、十分な資力を有しているA夫妻は、不動産業者から湾岸エリアのタワマンを勧められた。
※厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況(令和4年)」より
A夫妻は当初タワマンへのこだわりがあったわけではない。しかし、新婚で浮足立っていたこともあり、内見でみた部屋からの景色と不動産業者の営業トークによってすっかり“タワマンの虜”になったのだった。多くの人にとって、一生に一度の買い物となるマイホーム……「絶対に妥協したくない」と考えていたA夫妻は、立地の良さに加えてタワーマンションの充実した共有施設に魅了されていた。
共有施設には、
・ラウンジ
・ゲストルーム
・パーティールーム
・フィットネスルーム
・プール
・シアタールーム
・最上階展望ラウンジ
などがあり、特に遠方から親戚や友人が来た際に宿泊できる、ゲストルームはありがたいと感じていた。
加えて、不動産業者の営業から「地価や資材、人件費などの高騰で、数年先に建つ不動産の価格はさらに上昇するだろう」と説明を受けたことも購入を後押し。少し見切り発車だとも感じていたが、都会で毎日の疲れを癒してくれるのは、豪華なマイホームだと夫婦はお互いに言い聞かせた。
高層階はさすがに手が出なかったものの、タワマン9階の3LDKで約9,000万円の物件を、頭金500万円(住宅ローン8,500万円)で購入することに。定年時には完済できるように30年ローンで組んだ支払額は、維持費などを含め毎月25万円と決して安くはなかったが、A夫妻は「これからより一層仕事を頑張ろう」とやる気に満ち溢れていた。