「有痛性歩行障害」…“起立・歩行不能状態”からの回復も期待できる最新治療【医師が解説】

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「有痛性歩行障害」…“起立・歩行不能状態”からの回復も期待できる最新治療【医師が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

加齢や持病などさまざまな原因から、「歩行障害」に悩む人、諦めた人は少なくないでしょう。歩行障害は軽度のものから、ひどくなると「寝たきり」になることもある深刻な病気です。では、重度の歩行障害であっても治療は可能なのでしょうか。森山記念病院脳神経外科医員の西野克寛先生が、今後普及が期待される「歩行障害の最新治療」について解説します。

「歩行障害」とは

「歩行障害」は、運動系と姿勢などの複雑な制御系による、四肢の筋肉と関節可動域などの強調運動をすることによって起こります。脳血管障害やパーキンソン病、神経変性疾患、脊髄脊椎疾患、末梢神経疾患、骨・関節疾患、筋肉疾患など原因はさまざまです。

 

2~3ヵ月のリハビリで改善しない場合、海外では「脊髄の歩行中枢(CPG)」を活性化させることによって急速な機能回復を実践してきた臨床研究者がいます(ローザンヌ大学Courtine Gregoire教授ら)。

 

今回は、この「脊髄の歩行中枢」刺激によりリハビリで改善しない症状の治療の考えとやり方について紹介していきます。

 

そもそも、「歩行中枢」といったヒトの「原始的な遺物」は、脳の発達にともない退化したと考えられていました。しかしProf M Dimitrijevicらはその理論を覆し、この「歩行中枢」や「脊髄運動中枢」が脊髄損傷などといった病的状態で活性化するといいます。いったいどういうことなのでしょうか。

 

ちなみに、幼児や普段から多く運動していた人は、神経回路が発達しているためか、歩行障害が回復しやすいとされますが、これは、「歩行中枢」の発達と関連するといわれています。ちなみに、近年では上肢の機能回復にも歩行中枢(頸髄)が利用され始めています。

「歩行障害」がなかなか治らない場合の治療手順

1.機能状態の評価(mRS)

意識障害やうつ状態がなく、歩行障害の回復に遅れがある場合は、まず「機能状態の評価(mRS)」を行います。「0:正常」〜「5:寝たきり」の5段階評価で、起立時や歩行時にどれぐらい支援が必要かという基準で評価します[図表]。

 

[図表]日本版modified Rankin Scale(mRS)判定基準書
[図表]日本版modified Rankin Scale(mRS)判定基準書

 

2.MRI検査(トラクトグラフィー)

次に、MRI検査(トラクトグラフィー)で損傷部位と損傷程度の確認を行います。上位(大脳皮質)や下位(脊髄前角)運動神経損傷の程度をそれぞれ評価し、損傷の有無を判断します。                        

 

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