正社員との待遇差で話題になることが多い、非正規社員。ついに「賃上げ!」と声をあげたと話題になっています。いま一度、その格差についてみていきましょう。
手取り月18万円…「毎日300本、電話を受けてます。」コールセンター勤務の「40代・男性非正規」が訴える、あまりに苦しい現実 (※写真はイメージです/PIXTA)

多くの日本人が「賃上げは難しい」という現実

確かに、正社員と同じ仕事をしているのに、雇用形態の違いでこんなにも給与が違えば、ちょっとやっていられない気持ちになるのも仕方がないかもしれません。

 

もちろん、非正規、というだけですべてが冷遇されているわけではありません。非正規社員の給与分布をみていくと、月収100万円超えという高給取りが非正規社員全体の0.3%。正社員では全体の0.7%と倍以上になりますが、「非正規でも高給取り」という人、「あえての非正規社員」という特別な人も。

 

ただ問題は、正社員になりたくもなれない非正規社員だったり、不公平な環境下に身をおいている非正規社員。不当に低賃金ではないか……是正が必要です。

 

ただ非正規社員を抱える、特に中小企業からも悲痛な声が聞こえてきます。今回の賃上げの流れのなかで、非正規社員含めて賃上げを表明する大企業が続々。では中小企業は、というと、「はっきりいって難しい」の声が大半を占めます。

 

物価高騰のなか、大手企業のように価格転嫁が進まない中小企業の多くは経営も圧迫。とても賃金アップを考えられる余裕すらありません。城南信用金庫による顧客を対象とした調査では、7割が賃上げを予定していないと回答しました。

 

日本の労働者の7割は中小企業勤務ということを考えると、連日賃上げの報道はあるものの、日本の労働者、約7,000万人のうち、3,500万人は賃上げの対象外ということ。非正規社員ばかりでなく、多くの正社員からも悲鳴が上がっている……それが日本の実情です。