不動産価格が高止まりするなか、依然と人気の高い「タワーマンション」。億ションが当たり前の都心のタワマンでも、一般の会社員が購入に至るケースが増えているといいます。しかし頑張って購入した人たちからは、違和感を訴える声も。みていきましょう。
夫婦で年収1,000万円超え…頑張って「都心のタワマン購入」もすぐに覚えた違和感「ここ、本当に大丈夫!?」 (※写真はイメージです/PIXTA)

居住者が異様に少ない「都心のタワマン」に抱く不安

そんな「普通の会社員」でタワマン住まいを叶えた夫婦のこんなつぶやき。

 

――人が全然住んでない……大丈夫なのか、ここ

 

新築のタワマンを買ったものの、入居者が異常に少ないというのです。いつも静まり返ったエントランスホール。入居者と顔を合わせることもなく……。その違和感の正体は、実際に入居者が少ないから。前述のとおり、資産価値の高い都心のタワマンの場合、日本人だけでなく海外投資家からも人気が高く、普段は誰も住んでいないというのはよくある話。賃貸であれば空室が出るのと同時に入居者が決まるというタワマンも珍しくありませんが、分譲となると「居住者不在」というのも珍しくないのです。

 

――タワマンのエレベーター渋滞なんてよく聞く話だし、居住者が少ないほうがいいんじゃない?

 

という見方もできますが、問題は新築からしばらく経ち、修繕が必要になったとき。新宿区『タワーマンション実態調査報告書』では、過半数のタワマンで「修繕積立金が足りていない」という実態が明らかになり、その対応として6割のタワマンで「修繕積立金の値上げ」を実施していました。

 

歴史の浅いタワマンの場合、既存のマンションのように大規模修繕の工法はフォーマット化されておらず、修繕積立金では賄えきれないという問題が明らかになっています。

 

そのようななか「修繕積立金の値上げ」が実施できたのならまだまし。もし普段住んでもいないマンションで管理費値上げとなったら、どうでしょう。了承しづらいものがあるのではないでしょうか。また投資目的の購入者が多いタワマンであれば、修繕が必要になるのは何回か転売されたあとというタイミングであり、従来からの住民が少ないなかで「修繕費が足りません、お金払ってください」などといった話がまとまるワケがありません。

 

このように、都心の分譲タワマンのなかには、管理面で大きなリスクを抱えているケースが多々みられます。購入時はよくても、何十年後に取り返しのつかない事態に巻き込まれる心配も。見えないリスクではありますが、購入者に多いのは日本人なのか、外国人なのか、どのような目的で買う人が多いのかなど、事前によく確認をして検討することが重要です。