毎年2月16日~3月15日の間で提出する確定申告の時期が近づいています。個人事業主はもちろんですが、サラリーマンも該当する支出等があれば確定申告を行う必要があり、その結果で税金が還付されることがあると、FP事務所ストラット代表の伊豫田誠氏はいいます。サラリーマンが実践可能な「節税」について、事例から詳しくみていきましょう。
年収600万円の35歳サラリーマン「練馬3,000万円マンション購入」も赤字…確定申告で「助かった」【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「サラリーマン節税」とは

サラリーマンや公務員など会社と雇用関係にある方は、所得税と住民税は毎年の年末調整で会社が計算して給料から天引きされ支払います。そのため、多くの方は給料明細に記載されている金額をそのまま支払っています。

 

しかし特定の出費や投資を行うと、この所得税と住民税の額を減らせる場合があり、このことが一般的にサラリーマン節税と言われています。

 

たとえば、年末調整に含まれない下記の所得控除に該当する出費を確定申告すると、支払う税金が減額されます。

 

① 医療費控除

② 雑損控除

③ 寄付金控除(ふるさと納税ワンストップ特例以外)

 

さらに、サラリーマンでも個人で負担した経費が控除される、特定支出控除と言う制度があり、対象となる経費は下記になります。

 

① 通勤費

② 転居費

③ 研修費

④ 資格取得費

⑤ 帰宅旅費

⑥ 勤務必要経費(図書費・衣服費・交際費等)

 

この特定支出控除額は、下記の式で算出します。

 

特定支出控除額=特定支出の額の合計額-給与所得控除額×1/2

出所:国税庁HP(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1415.htm)

 

申請には、勤務先からの証明書が必要となり内容も複雑となるため、ここでの解説は割愛しますが、大きな出費があった時には忘れずにチェックしておきましょう。詳しくは国税庁HPや会社の経理等でご確認ください。

 

そのほか、投資で所得控除が適応されるものとして「iDeCo」があります。iDeCoとは個人型確定拠出年金を指し、毎月積み立てて行くと年間の掛け金について全額が所得控除となり、所得税や住民税が減額されます。さらには、運用中の利益や受け取り時にも税金の軽減があります。

 

また、不動産投資の場合は損益通算という仕組みで税金が減額される場合があります。ここからは、年収605万円の35歳・大卒サラリーマンS氏の事例をもとに、不動産投資の節税の仕組みについて説明していきます。