夢のマイホーム。数千万円の買い物なので、ほとんどの人がローンを利用しますが、返済できなくなるリスクは誰にでもあります。最悪の結末を迎える前にすべきことをみていきましょう。
手取り月31万円・44歳会社員「もう、限界だ」と、まさかの住宅ローン破綻…滞納してしまう前に絶対すべきこと (※写真はイメージです/PIXTA)

住宅ローンを滞納してしまう前にすべきこと

――もう限界だ

 

住宅ローンの返済が難しくなった場合、どうすればいいのでしょうか。まだ返済が苦しいという段階であれば、滞納する前に住宅ローンを組んでいる金融機関に、返済条件を変更できないか相談するのが手。月々の返済額を減らしたり、返済期間を延長したり、一定期間元金の返済を据え置いたりもらったりと、返済計画の変更を打診します。

 

返済中のローン金利が高い場合は、他の金融機関への借り換えの検討も。場合によっては、借り換えによって返済期間の延長ができ、月々の負担を減らすこともできるでしょう。その場合、総返済額は多くなるので注意が必要です。

 

病気で収入が途絶えているような場合は、「団体信用生命保険(団信)」の確認を。団信はローン名義人が死亡した場合にローン残高が弁済されるものですが、所定の高度障害や身体障害に認定された場合も保険の適用対象となります。また、特定疾病保障のオプションを付けているケースもあるので、一度、適用範囲を確認しておくといいでしょう。

 

また高齢者であれば「リバースモーゲージ」を利用できないか、相談するのも手。これは自宅を担保にお金を借りることができるサービスで、60~80歳を条件とする商品が多くみられます。リバースモーゲージでは毎月の金利分のみの返済となるため、支出を大きく抑えることができます。残債の返済は借入人が死亡したのち相続人が行いますが、一般的には担保の不動産を売却し、支払うことになります。

 

マイホームの売却という手もありますが、すでにローン返済が滞納状態にある場合は、通常の方法では売ることができません。このような場合は、債権者=住宅ローンを借りている金融機関の了承のもと、ある程度、所有者の希望条件で一般市場にて不動産を売却する「任意売却」という方法をとります。

 

住宅ローンを3ヵ月~半年ほど滞納してしまうと、金融機関から住宅ローンの残額を一括返済するよう請求されます。それができていれば、そもそも滞納などしませんから、ほとんどの場合、不動産は差し押さえられ、最終的に競売という最悪の結果に。競売は、通常よりも低価格で売却される傾向にあるばかりでなく、強制的に退去せざるを得なくなるなど、実生活に大きな影響を与えることになります。

 

住宅ローンの返済が苦しい……となった場合、滞納は短期間でもNG。そうなる前に、スピード感をもって相談するのがセオリーです。もし滞納となってしまっては信用に関り、今後の生活に影響を与えてしまうことになるでしょう。