潜在患者数は約3,000万人…日本人のひざを襲う「新たな国民病」【専門医が解説】 

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潜在患者数は約3,000万人…日本人のひざを襲う「新たな国民病」【専門医が解説】 
(※写真はイメージです/PIXTA)

ひざの関節にある軟骨が少しずつすり減り、骨が変形してしまう「変形性膝関節症」。現在日本では潜在的な患者も含め、なんと約3,000万人が変形性膝関節症を患っていると、世田谷人工関節・脊椎クリニックの塗山正宏先生はいいます。新たな国民病ともいえるこの病気。根治させる方法はあるのでしょうか、みていきます。

迷ったら「ひざが治ったらなにをしたいか」を考えて

「骨切り術か、人工関節置換術か、どちらを選べばいいのか?」と迷われる方も多いと思います。

 

これまでお話したように、まず、選択の基準として考えられるのは年齢です。その次に考えたいのが、「術後になにをしたいのか」という点です。

 

たとえば「深くしゃがむ」「ジャンプする」「激しくぶつかる」などの要素を含むスポーツは関節にかかる負担が大きくなり、人工関節のゆるみや脱臼、摩耗などにつながるため、人工関節の手術後には適していません。

 

そのため、「70歳だけど、ひざの手術をしたら本格的なマラソンを再開したい」「サッカーやテニスをしたい」という場合には、人工関節よりも骨切り術のほうが適しているといえます。

 

反対に、年齢が60歳以下であっても、「痛みを完全に取り除きたい」「再発を予防したい」という希望がある場合には、人工関節置換術のほうが適しています。そのため、「手術後になにをしたいのか」「どんな生活を送りたいのか」といったことを考えて、医師と相談しながら術式を選ぶことが大切です。

 

<人工関節置換術後におすすめのスポーツ>
サイクリング、ゴルフ、ダンス、水泳、ウォーキング、軽いジョギング、ボーリング、軽登山など

 

<人工関節手術後におすすめしないスポーツ>
野球、バスケットボール、バレーボール、サッカー、ハンドボール、ジョギング、ロッククライミングなど

手術後の生活…注意点は?

骨切り術や人工関節置換術を受けたあと、日々の生活ではどんなことに注意すべきなのでしょうか。

 

まず骨切り術では、骨を切ることでO脚やX脚をまっすぐな脚に矯正するため、はじめは違和感を覚えるかもしれません。しかし徐々に慣れてくるでしょうし、ひざの可動域も少しずつ広がってくるので、日常生活で困ることはあまりないと思います。手術後には特に生活上の制限はなく、スポーツや趣味に打ち込んだり、職場に復帰したりすることも可能です。

 

一方、人工関節置換術の場合には注意してほしいことが1つあります。

 

それは、骨折です。人工関節の置換術を受けるのは高齢の方が多く、骨粗鬆症になっていることが少なくないため、そもそも骨折のリスクが高くなっています。さらに、人工関節置換術を受けると術後に人工関節の周囲の骨密度が低下することが多く、万一転倒してしまうと、人工膝関節の周囲で骨折をする可能性があります。

 

特に、大腿骨の周囲で骨折してしまうと人工関節にゆるみが生じ、再手術になる可能性が高くなるため、十分注意が必要です。

 

骨切り術、人工関節置換術とも、変形性膝関節症を根治するのに最善の治療法です。しかし、骨切り術と人工関節置換術のどちらを選択するかは医師によって考え方が異なることもありますし、医師によって得意分野も変わってきます。

 

そのため、もし変形性膝関節症の手術を検討している場合には、セカンドオピニオンやサードオピニオンを受けることをおすすめします。

 

 

塗山 正宏

世田谷人工関節・脊椎クリニック

 

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