新しい年がスタートし、将来のことを考える機会も多いタイミング。「老後のこと」を考える人も多いでしょう。最大の関心ごとは、年金はいくらになるのか、その年金で暮らしていけるのか、ということ。平均的な給与の会社員であれば、どうでしょうか。みていきましょう。
平均手取り月25万円でも…「老後破綻」を覚悟しなければならない、日本人の唖然の年金額 (※写真はイメージです/PIXTA)

平均的な給与の会社員…65歳で手にする年金額で生きていけるか?

平均的な会社員の給与で、月13万4,000円ほどの年金を手にできる日本。厚生労働省の調査によると、厚生年金受給者で年金13万円以下なのは42%ほど。平均的な年金額を手にできていない人が、それだけいるといえます。

 

40年近くの会社員人生を送ってきたいのであれば、できることなら年金だけで安心して生きていきたいもの。しかしそうはいきません。生活保護を受給する条件となる最低生活費をみていくと、たとえば東京都23区の場合、生活扶助基準額が7万6,880円、住宅扶助基準額が5万3,700円、合計13万0,580円となります。つまり東京23区では持ち家でなければ、月13万円なければ生きていけない、ということになります。そう考えると、平均的な給与を手にしてきた会社員でも、年金だけで生きていくにはギリギリだといえるのです。

 

平均的な会社員でそのような水準ですから、高齢者の多くが「年金だけでは生きていけない」というのが現実であり、蓄えがなければ、すぐに生活が破綻してしまうような状態にあるといえます。

 

老後、夫婦が生きていくには2,000万円が必要だとして騒ぎとなり、以前よりも自助努力がいわれるようになりました。しかし日々の生活が苦しく、とても預貯金などできないという人も多くいるでしょう。金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査 2022年(二人以上世帯調査)』によると、日常的な出し入れ・引落しに備えている預貯金もないという世帯が2.6%、単身世帯では4.9%になります。

 

今後、高齢化はさらに進んでいきます。どんなに楽天的に考えても、今後、年金が増えるという未来は描くことはできないでしょう。日本で生きる高齢者は老後破綻の危機に怯えながら、生きていくしかないのかもしれません。