多くの人が定年を迎える60歳。その過半数がそのあとも働き続けるといわれていますが、ここで会社員人生に終止符を打つ人も。その先にはバラ色の老後が待っている……と思いきや、想定外の事態に陥る人も珍しくありません。みていきましょう。
月収51万円だったが…大卒会社員「退職金2,000万円」で定年退職も、悠々自適な老後生活が泡と消える想定外 (※写真はイメージです/PIXTA)

退職金を手にして悠々自適な老後がスタート、のはずが…

なかには、計画的に資産形成を進め、定年後に働かないことに不安はない、という人もいるでしょう。定年後も働く人が過半数を超えるといわれていますが、もちろん、「働かない」を選択する人もいます。その先にあるのは、組織のしがらみから解放された、悠々自適な生活……ただ、想像どおりにいくとは限りません。

 

国立社会保障・人口問題研究所『第8回世帯動態調査』によると、少なくともひとりの子と同居している親の割合は、年齢を重ねるごとに減っていき、70歳代前半で35.7%まで低下します。しかし70歳代後半から上昇を開始し、85歳以上では 55.0%に達します。60歳で定年した「子」の立場でみていくと、徐々に親と同居を始める人が多くなるということ。

 

これは死別によって配偶者が不在になったり、加齢によって親が介護・介助が必要になったりという事情があると考えられます。

 

また内閣府『令和4年版高齢社会白書』によると、要介護者を介護する人で、「同居する配偶者」23.8%に続き多いのが「同居する子」で20.7%。さらに7.5%が「子の配偶者」と、家族総出で親の介護にあたる生活に。

 

定年後に立ちはだかる「親の介護問題」。懸念となる介護費用については、大半が自身(親)の年金や貯蓄を充てるとしているので、金銭的な負担はそれほどないでしょう。ただ夢に描いていた悠々自適な老後生活は諦めるしかなくなるでしょう。

 

定年前、自分たちの老後を見据えて準備を進めていることでしょう。同時に、親の介護についても真剣に考えておくほうが得策です。