平均年金月17万円…現役時代の給与額は?
2階建てとなっている、日本の公的年金。国民年金の年間受給額は「年金額×保険料の納付月数÷480ヵ月月」、厚生年金の年間受給額は「①平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの加入月数」と「②平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入月数」を足すことで算出できます。
会社員や公務員は、国民年金に加え、厚生年金を手にすることができますが、国民年金の保険料は一律ですから、国民年金部分を満額以上に増やすことは基本的にできません。ただ厚生年金部分は現役時代の収入で左右されるので、上限はあるものの、多くの給与を手にした、いわゆる「勝ち組会社員」ほど、多くの年金を手にできる、というわけです。
厚生労働省の調査によると、65歳以上の厚生年金受給者の平均年金月額は男性で17万円ほど。国民年金は満額支給とすると、厚生年金部分は10.6万円ほどになる計算です。
そこから逆算*すると、年金17万円程度手にする人たちは、現役時代の平均年収は530万円ほどだったという会社員や公務員となります。
*便宜的に上記②の式のみで算出
現役時代の平均年収というのは、たとえば大学卒業~60歳定年まで働いたとしたら、37年間の平均値のこと。日本のサラリーマンが37年間働いたとすると、平均年収は480万円ほどになります*。大卒に限ると平均年収は546万円*。先ほどの平均年金17万円から逆算した、現役時代の年収に近くなります。つまり年金の平均値以上を手にしている人は、大学を卒業し、平均以上の給与を手にしてきたような、いわゆる「勝ち組会社員」に限られる、といえるでしょう。
*厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より算出
半数以上が年金だけが頼りとなる高齢者。できるだけ多くの年金を手にしたいと考えるでしょう。ただ思わぬ落とし穴で、結果的に損をする「勝ち組会社員」も。それが現役時代の平均年収、666万円ほどだった人たちです。