FPに説得され…Yさんが実行したこと
Yさんは上記の話を受け、帰宅後「リタイア生活の夢はきっぱりと捨てた」と妻に告げました。妻はそれでも不信感を募らせていましたが、離婚の話はなかったことに。また、「ただの空き家と言ったのは謝ります」とも言ってくれました。
Yさんはマンションに住み続けながら、まずは妻のお母さんの介護をやりきることにしました。残業はほどほどにし、遅ればせながら家事の手伝いをする約束もしました。FPからのアドバイスどおり、毎月1回は「家計会議」と称して、妻とお金の話を共有するための時間を設けています。
肝心のYさんの実家は、とりあえずそのまま所有し続けています。これから定年退職に向けて奥様に恩返しするような生活態度に変えることで、もしかしたらお母様亡きあと、実家に移り住む気になるかもしれません。あるいは違う夢を夫婦で見つけ、共有できるかもしれません。
20年以上同居した夫婦の「熟年離婚」が年々増加している現代の日本では、夫婦ともに価値観をアップデートする努力が必要です。お金を稼いだから夫が偉い、お金を稼いでくるから家庭を顧みなくてもいいではなく、家庭の運営にも多くの時間を費やすべき時代。夫婦で会話を重ね、互いに理解していく姿勢が大切です。
長岡 理知
長岡FP事務所
代表