2010年の生活保護世帯を100とした場合…2020年に136%を記録した都心の区
東京区部における、生活保護世帯の分布をみてみると、東高西低という傾向にあることがわかります。しかし生活保護世帯の増加率に注目すると、まったく違う風景がみえてきます。
2010年の生活保護世帯数を100とした際の2020年の生活保護世帯数をみていくと、東京都平均は118.7、東京都区部平均は116.8。そんななか、最も指数が高いのが「中央区」で2010年を100とした際に、2020年は136.7。続いて「世田谷区」が128.8。「江戸川区」「中野区」「江東区」と続きます。一方で東京区部で最も指数が低いのは「豊島区」で101.1。続く「千代田区」は103.0。「文京区」「台東区」「港区」と続きます。
【東京区部「生活保護世帯増加率」上位5・下位5】
1位「中央区」136.7
2位「世田谷区」128.8
3位「江戸川区」127.4
4位「中野区」126.5
5位「江東区」125.0
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19位「港区」106.2
20位「台東区」103.9
21位「文京区」103.7
22位「千代田」103.0
23位「豊島区」101.1
出所:東京都福祉保健局『福祉・衛生」統計年報(令和2年度)』より
※2010年の生活保護世帯数を100とした際の2020年の指数
2010年代に生活保護世帯が大きく増えた地域は、その間、生活保護世帯の中心となる、単身高齢者や母子世帯が多く流入した地域だと考えられます。そしてトップは、都心3区に数えられる「中央区」。華やかな都会の影の部分を映すかのように、東京のど真ん中に貧困にあえぐ人たちが、その日その日を何とか生きています。