給与を語る際に何かと指標となる平均値。仕事はお金じゃないといいつつも、平均値よりも高ければ安堵し、低ければ落胆するもの。40代・工場勤務者からの投げかけには、どう答えるのが正解なのでしょうか。
日本人の平均月給30万円だが…有名メーカーの工場勤務・40代「正社員でも、手取り14万円」は悲惨か? (※写真はイメージです/PIXTA)

工場勤務者…「日本人の平均」と比べてみると

——有名メーカーの工場勤務、40代・正社員で手取り14万円って悲惨?

 

そんなネット上の書き込みに「転職したほうがいい」といったアドバイスが並びます。ほかにも、工場勤務で手取り15万円とか、手取り17万円とか、それくらいの給与であることを嘆く声が多いようです。

 

そもそも日本人の平均給与は月30万7,400円、年収は推定489万3,100円。手取りにすると月々23万円ほどとなり、これでやりくりするというのが、「ザ・日本人」の姿です。確かに、手取り月14万円だと、平均値を大きく下回っていることになります。

 

*厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より。平均年齢は43.4歳、平均勤続年数は12.3歳

 

平均的な手取りで足りるのか、それとも足りないのかは人それぞれですが、給与が平均値を上回っていれば、とりあえず現状に満足し、平均値を下回っていれば、現状に不満を感じ、転職を考える……給与の平均値は、キャリアを考えるうえで、大変重要な指標だといえます。

 

最近はジョブ型雇用という言葉をよく聞くようになりましたが、日本ではまだまだ年功序列の影響が大きく、基本的に年齢を重ねるごとに給与はあがっていきます。平均値としては、給与のピークは50代前半。定年60歳が一般的ななか、50代後半には役職定年という人も多くなり、若干給与は下がるものの、高水準を維持。定年後は3割ほど収入減となる、というのが一般的な給与カーブです。

 

【年齢別「月給と年収」推移】

20~24歳:213,100 円/3,200,900 円

25~29歳:246,200 円/3,969,700 円

30~34歳:275,800 円/4,487,600 円

35~39歳:305,000 円/4,975,800 円

40~44歳:328,000 円/5,323,700 円

45~49歳:344,300 円/5,552,900 円

50~54歳:366,200 円/5,887,100 円

55~59歳:365,500 円/5,807,500 円

60~64歳:292,800 円/4,356,100 円

 

出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』

 

年齢的にみたときも、やはり手取り14万円は平均以下。

 

また性別や企業規模、雇用形態などでも給与は大きく変わります。たとえば正社員と非正規社員。男性の場合、正社員なら平均給与は月34万8,800円、年収は571万1,100円。一方、非正社員なら平均給与は月24万1,300円、年収は推定342万7,000円。月に10万円、年収にして230万円もの差が生じます。

 

前出の工場勤務者は正社員といっていますから、やはり平均と比べて低収入と言わざるを得ません。