その発熱、ストレスが原因かも…「心因性発熱(機能性高体温症)」の原因と対処法【医師が解説】

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その発熱、ストレスが原因かも…「心因性発熱(機能性高体温症)」の原因と対処法【医師が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

ストレスで熱が出たという経験がある人は多いのではないでしょうか。周りから仮病ではないかと疑われたり、「気のせい」だと無理してしまったりしがちですが、じつは「機能性高体温症」という病気の可能性があると、高座渋谷クリニック院長の武井智昭先生はいいます。その症状と原因、治療法について詳しくみていきましょう。

「発熱」のメカニズム

ウイルスや細菌感染、自己免疫疾患の過剰な免疫による発熱の場合、「炎症性サイトカイン」と「プロスタグランジンE2(PGE2)」が分泌され、それらが中枢神経に作用して交感神経が優位となり、体温が上昇します。

 

漢方薬の麻黄湯(まおうとう)には、発熱を引き起こすサイトカインの産生を抑える効果があり、また他の一般的な解熱鎮痛薬はプロスタグランジンE2の産生を抑える効果があります。感染症の際にはそれらを内服することによって解熱することができます。

 

一方、一定の精神的ストレスにより生じた「機能性高体温症」では、前述とは異なるメカニズムで交感神経の働きが活発になり、体温が上昇します。

 

サイトカイン・プロスタグランジンE2のレベルは変わらないため、医療機関での血液検査でも白血球数・CRPなどの炎症反応の数値には変化がみられません。このため、漢方や解熱薬を内服しても体温降下はみられません。

 

苦手な人と接する、極度の緊張…「機能性高体温症」の原因

上記のようなさまざまな検査や治療を行っても解熱鎮痛薬等の効果がなく、他の疾患を除外した状態でなにかしらのストレスがあることが確認される場合には、「機能性高体温症」と診断されます。

こうした発熱は、

 

・緊張度の高い仕事をする

・苦手な人と接する

・人前で話すなど極度に緊張する

・他人と激しい口論を交わす

・いじめられる

 

など、心理的に追い込まれて心身ともにリラックスができず、精神的に追い込まれる状況から、交感神経が優位となり発熱がみられます。

 

極端な例では、資格試験など試験の前日に37℃後半の高熱が出たが、試験終了後には解熱しているというケースも機能性高体温症に含まれます(現在はコロナ対策などの観点から、試験会場にある体温チェックで入室できないと思われますが)。

 

機能性高体温症は性別や年齢を問わず、子どもから高齢者まで起こる可能性があります。特に小児や若い方では、成人と比べて熱が出やすいため、小さな刺激でも体温を上げる機能が働き、生じやすいです。また、ストレスが続く場合には倦怠感・頭痛・嘔気・腹痛などの他の症状が伴っていることも多くあります。

 

子供の機能性高体温症は、これまで親などからの過剰な期待に応えるタイプのお子さんがかかってしまうことが多かったのですが、最近では発達障害に関連した不登校・学校生活への不適応、虐待を受けている子供がかかるケースが増えてきています。

 

成人では、職場環境に起因した抑うつ、不眠、不安などに付随して症状が出るケースが増加しています。また、機能性高体温症は新型コロナウイルス感染症後遺症の症状のひとつですが、やはり心理的・社会的な負担が主原因であることが多いです。

 

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