同一賃同一労働だが…パートタイマー「賃金が安い」と不平・不満
そんなパートタイマーの状況を厚生労働省『令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査』でみていきましょう。なお同調査では、就業形態別に以下のとおり分類しています。
「無期雇用パートタイム」:常用労働者のうち、企業(事業所)に直接雇用されている労働者で、期間を定めずに雇用されており、かつ、1週間の所定労働時間が同一の事業主に雇用された通常の労働者(正社員)に比べて短い労働者
「有期雇用パートタイム」:常用労働者のうち、企業(事業所)に直接雇用されている労働者で、1年契約、6ヵ月契約など期間を定めた労働契約により雇用されており、かつ、1週間の所定労働時間が同一の事業主に雇用されている通常の労働者(正社員)に比べて短い労働者
「有期雇用フルタイム」:常用労働者のうち、企業(事業所)に直接雇用されている労働者で、1年契約、6ヵ月契約など期間を定めた労働契約により雇用されており、かつ、1週間の所定労働時間が同一の事業主に雇用されている通常の労働者(正社員)と同じ労働者
まず配偶者の有無をみていくと、「配偶者がいる」は全体で67.2%。「無期雇用パートタイム」で男76.9%、女26.2%、「有期雇用パートタイム」で男83.0%、女21.2%、「有期雇用フルタイム」で男88.5%、女45.4%となっています。
続いて、「主に自分の収入で暮らしている」は、全体で43.7%。「無期雇用パートタイム」で男35.9%、女76.4%、「有期雇用パートタイム」で男61.6%、女72.0%、「有期雇用フルタイム」で男66.2%、女57.5%となっています。
パートタイムについては、「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」により、2021年4月からは、中小企業においても、同一企業内における正社員と非正規社員の間の不合理な待遇の差が禁止となりました。ただ100%、行き届いているかといえばそうではないようです。
採用時等における待遇についての説明状況をみると、「無期雇用パートタイム」で「説明があった」が66.2%、「有期雇用パートタイム」と「有期雇用フルタイム」は83.4%と81.5%。さらに「待遇について説明を求めたことがある」が15.1%で、その多くが「納得した」といいますが、「納得できなかった」が12.1%、「説明してもらえなかった」が8.2%。まだ不完全な状況といえそうです。
そして「会社への不満・不安がある」が59.1%と6割弱。そのうち最も多いのが「賃金が少ない」で69.8%でした。ただ正社員からいわせると、パートタイマーの給与、それほど安いとはいえません。たとえば40代前半、男性正社員の月収(所定内給与)は39万3,800円。所定労働時間は月166時間でした。40代前半パートタイマーの平均月収は17万円ほどですが、正社員同様月166時間働いたとなると、平均時給2,248円なので月37万3,168円になる計算。正社員とは2万円ほどの差となりますが、責務の差を考えると「たった2万円!」と驚くポイントです。
パートタイマーの不平・不満を通し、「正社員とはいえ随分と安い給与で働いているんだな、俺たち……」と、再認識。「ふざけるな!」と憤慨する人も多そうです。