(※写真はイメージです/PIXTA)

「疲れた」と感じると、「温泉行きたいな」と思う人も多いのではないでしょうか。日本人にとって温泉は、とても身近で大切な癒しの空間です。でも、せっかく温泉に行ったのに「なぜか温泉にいくと眠れない」という人も多いといいます。ぐっすり眠れる温泉の入り方とは。

 

このような理由から、温泉でぐっすりとよく眠るためには、寝る直前に入浴するのではなく、お布団に入る2時間前には入浴を完了させておく必要があります。その後、自然に体温が下がるのに任せます。就寝の時間を決めて、逆算して入浴の時間を決めると良いでしょう。

 

また、夜の入浴は睡眠や休息の自律神経である副交感神経のスイッチが入るように38~40℃の少しぬるめの浴槽を狙って入ると良いでしょう。入浴のタイミングを間違えなければぐっすりと眠れるはずです。実際に、私も調査を事務局として担当させていただいた環境省の「新・湯治」では、約12000人の調査で温泉地滞在によって79.7%もの人が良く眠れたと回答しています。

温泉に入ってかえって疲れる原因と対策は?

温泉に入ったら、疲れが取れるどころかぐったり疲れた、という経験をした人も多いことでしょう。これは昔から「湯疲れ」と呼ばれる現象で、熱中症の一種である「熱疲労」である可能性が高いと考えられます。熱疲労とは熱刺激にさらされることで、脱水症や疲労倦怠感、悪心、脱力感を感じるものです。

 

原因は「温泉に入りすぎ」です。せっかく温泉に来たのだからと、欲張って何度も温泉に入ったり、長時間にわたって入浴すると体温が上がりすぎて、熱中症になります。温泉は保温効果が高いので一度入ると体温がなかなか下がりません。その状態であまり間を開けずにさらに重ねて温泉に入るともっと体温が上がってしまいます。

 

対策は、温泉を欲張りすぎないことです。できれば温泉への入浴は1日1~2回とすればよいのですが、もっと何度も入りたくなる気持ちも分かります。その場合は1回の入浴時間を2~3分程度とすることです。体温の上がり方は湯温や泉質にもよりますので、長く入っても額に汗がにじんだら浴槽から出る、と覚えておきましょう。私も仕事柄、1日に何か所も温泉に入浴しなければならない時もありますが、1か所あたりの入浴時間は汗がにじむ前にはさっと浴槽から出ています。気に入った温泉や浴槽があれば、そこだけ後からじっくり入ればよいのです。

 

また、水分補給はとても大切です。外湯巡りには必ずペットボトルや水筒で水分を持参していきましょう。入浴の前後でそれぞれコップ1杯分以上は必ず水分補給をします。もし「飲泉」(飲用が公的に許可された温泉)がある場合は、温泉を飲んで水分補給も良いでしょう。

 

もうちょっと入りたいな、と思うくらいで温泉から出るのが、温泉を楽しむコツなのです。

 

早坂 信哉
東京都市大学人間科学部学部長・教授
博士(医学)、温泉療法専門医。
 

 

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。