給与が上がらないといわれるなか、自力で「給与アップ」を目指せる方法のひとつが転職。人によっては、年収が2倍にも3倍にもなったというケースも。ただ成功が約束されているわけではなく、給与減という事態に直面するケースも珍しくありません。みていきましょう。
手取り41万円だったが…大卒・大企業勤務の50代エリート、「負け組転落後」の唖然の給与額 (※写真はイメージです/PIXTA)

転職で「給与アップ」は4割…「給与ダウン」も4割

——もう、この会社ではやっていけない

 

会社員であれば、一度や二度、そう思ったことがあるでしょう。そして実際に転職という行動を起こした人も、いまや珍しくはありません。

 

厚生労働省『令和2年 転職者実態調査』によると、転職者のうち「自己都合による転職」は76.9%。転職活動に際し、「準備を行った人」は30.9%で、「特に何もしていない」が66.1%。転職となると、離職期間は多くが収入ゼロとなるので、できるだけ短くしたいもの。「離職期間なし」で転職を成功させたのは26.1%、「1ヵ月未満」が27.6%。一方で半年以上の長期戦となったのが10.7%。

 

また転職先を決めた理由で多いのが「仕事内容・職種に満足がいくから」で41.0%。「自分の技能・能力が活かせるから」36.0%、「賃金以外の労働条件がいいから」26.0%と、「転勤が少なく、通勤が便利だから」が20.8%と続きます。

 

そして転職後、いまの職場の満足度は「満足」が53.4%、「どちらでもない」が34.5%、「不満足」が11.4%。転職者の10人に1人は「転職失敗」といったところでしょうか。不満の原因を探っていくと、「不満足」が全体平均の11.4%を大きく上回ったのは、「賃金(27.1%)」「労働時間・休日・休暇(16.3%)」「人間関係(14.2%)」「会社の将来性(13.2%)」。

 

転職をしたら、キャリアアップとなり、給与もアップする……とは限らないようです。転職後の給与に注目すると、「増加した」が39.0%、「変わらない」が20.2%、「減少した」が40.1%。「増加」と「減少」が拮抗しています。

 

「転職で給与減」についてもう少し深堀していくと、「1割未満の減少」が全体の11.7%、「1~3割未満」が18.1%、「3割以上」が10.9%。転職者の10人に1人は「転職で給与が3割減」という事態に直面しています。