(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢化が進み、日本における不整脈の患者数は年々増加しています。不整脈自体が日常生活におよぼす影響は大きくないものの、放っておくと心不全や脳梗塞といった重病を併発するため、不整脈は予防・改善が重要だと、東京ハートリズムクリニックの桑原大志院長はいいます。では、日常生活においてどのような点を気をつけるとよいのでしょうか。解説します。

不整脈を予防し、進行を「食い止める」食習慣とは?

不整脈の好発年齢は40〜50代といわれています。しかし、毎日の食習慣は10年、20年と長い時間をかけて体に影響を与え、徐々に病気を進行させてしまいます。そのため、「まだ若いから大丈夫」という油断は禁物です。

 

心房細動に深く関係する「飲酒」の恐ろしさ

まず、不整脈によくない食習慣として挙げたいのが、アルコールです。アルコール摂取量は、「単位」で定義されています。1単位は純アルコールに換算して20gで、代表的なお酒では図表1の分量が1単位の目安です。

 

a
[図表1]1単位=純アルコール量約20グラムの目安

 

ここで、ある1つの研究結果を見てみましょう。1991年から1995年まで、8,602人の日本人を対象に、アルコールと心房細動の関連性を調べる研究が行われました。

 

平均6.4年、対象者を経過観察したところ、296人が心房細動を発症。調査の結果、アルコールを毎日3単位以上飲む人は、そうでない人に比べて2.9倍、心房細動を発症していることがわかりました。

 

ちなみに、毎日1単位ほどのアルコール摂取であれば心房細動の発症リスクは変わりませんが、毎日1~2単位ほど飲む人は1.19倍、2~3単位ほど飲む人は1.36倍、発症リスクが高まります。そのため、毎日アルコールは1単位以内に抑えるのが理想的だといえるでしょう。

出典:Sano F, et al. Circ J. 2014; 78: 955-61

 

カフェインに感受性のある人は飲み過ぎに要注意

アルコールだけでなく、カフェインも不整脈のリスクを上げるといわれています。カフェインは中枢神経を興奮させる作用があり、神経が昂る、交感神経が活性する、心拍数が上昇する、血管が収縮するなどの症状を招くためです。

 

以前からカフェインと不整脈の関連性は指摘されていましたが、それについて興味深い考察を示したのが、2016年にアメリカの専門誌に掲載された論文です。

 

1,388人に24時間ホルター心電図を装着してもらい、心房性期外収縮と心室性期外収縮の数を調べ、コーヒー、お茶、チョコレートの摂取量と不整脈との関連性を調査しました。

 

すると、なんとカフェインの摂取量と不整脈の寡多に関連性はないことがわかったのです。つまり、不整脈があるからといってカフェインを控える必要はないという結果だったのです。

 

ただし、私自身の経験から考察すると、おそらく1,388人という人数では優位性が示されなかっただけで、もっと大規模な研究ではカフェインと心不全の関係性が示されたのではないかと考えます。

 

カフェインには「感受性のある人」と「ない人」がおり、感受性のある人が疲れたときやストレスが強いときなど、特定の条件下でカフェインをとると、「動悸がする」「脈が乱れる」という症状を示すケースがあります。

 

実際、こんなケースがありました。私のクリニックでは心房細動のアブレーション治療を行なったあと、半年に1回ホルター心電図をつけて検査をしていただくのですが、ある患者さんの心房細動の数が1日1万発に急増したのです。

 

その方は、「心房細動の数が急増したころは仕事が忙しく、毎日エナジードリンクを飲んでいた」と後日話してくれました。そして、エナジードリンクをやめたとたん、期外収縮が減って元の数字に戻ったのです。

 

カフェインを摂ったあとに「心臓がドキドキした」「脈が不規則になった」などの経験がある場合は、1度カフェインの摂取量を控えめにすることをおすすめします。

出典:J Am Heart Assoc. 2016;5:e002503

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

注目のセミナー情報

​​【税金】11月27日(水)開催
~来年の手取り収入を増やす方法~
「富裕層を熟知した税理士」が考案する
2025年に向けて今やるべき『節税』×『資産形成』

 

【海外不動産】11月27日(水)開催
10年間「年10%」の利回り保証
Wyndham最上位クラス「DOLCE」第一期募集開始!

次ページ不整脈に対して明確に効果があるのは「魚」だけ

※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。