ひざが痛いのは「年のせい」ではないかも…なかなか治らないひざ痛は「誤診」を疑え【元横綱主治医が解説】

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ひざが痛いのは「年のせい」ではないかも…なかなか治らないひざ痛は「誤診」を疑え【元横綱主治医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「膝が痛い」は年のせい? 元横綱・白鵬関はじめ、プロゴルファー、格闘家などプロスポーツ選手の治療・リハビリテーション・トレーニングを行い、日本の人工関節移植手術においてトップレベルの症例数を持つ、「関節のスペシャリスト」である整形外科医の杉本和隆医師。杉本医師に、長年治らない膝の痛みについて、原因や治療法、自身でできることや気を付けるべきことについて聞いた。

痩せなくてはいけない、ハイヒールは膝に悪い?

人生で経験することのない痛み、そして大きな不安も伴う、それが膝の痛みです。立ち上がる際に痛い。階段を降りるのが怖い。膝を深く曲げられない。こんな症状が出たら要注意です。

 

生活に支障が出るため、近くの病院に行って見てもらっても、「加齢ですね」と言われるだけ。そんなことを言われても、今さら若返ることもできませんよね。結果、湿布と痛み止めしかもらえない。こうなるとますます不安が募ります。そしてこの点こそが、ひざ痛で特に注意すべきことでもあります。

 

膝関節の加齢的変化を医学的には「変形性膝関節症」と言いますが、じつは、実際にはそうではない人がほとんどだったりします。病気の原因に関する診断が間違っていたら、治療方針も適切なものではなくなってしまいます。つまり「誤診」ともいえるでしょう。そしてその診断からの時間経過にともない、結果として変形性膝関節症になってしまう方が多いのです。

 

もしも今ひざ痛でお悩みのみなさんが治療を行なっていて、6ヵ月経過しても軽快しない場合には、言われた診断と治療方針に疑問を持たれても良いかと思います。

 

変形性膝関節症でなくても「半月板損傷」「痛風関節症」「ピロリン酸結晶関節炎」「靭帯損傷」「顆部骨壊死症」「ELPS」「リウマチ性関節炎」など数多くの原因があるのです。そして、各々治療方針が異なります。1日で治る病態もありますし、年単位のお付き合いになる病態もあるのです。なかには、注射1発で治せるものもあります。

 

そのため、まずは正確な診断が必要です。太ることは確かに良い事ではありませんが、痩せなくてはいけないのか? ハイヒールは膝に悪いのか? 答えは「No!」です。肥満体型でも、筋力が維持されていて姿勢良く歩けていれば大丈夫です。「ハイヒールを履く=膝が壊れる」ではありません。ハイヒールを日常的に履くことで、かえって姿勢を良くする筋肉が維持されるケースもあります。

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