(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢化が進み、日本における不整脈の患者数は年々増加しています。不整脈自体が日常生活におよぼす影響は大きくないものの、放っておくと心不全や脳梗塞といった重病を併発するため、不整脈は予防・改善が重要だと、東京ハートリズムクリニックの桑原大志院長はいいます。では、日常生活においてどのような点を気をつけるとよいのでしょうか。解説します。

不整脈に対して明確に効果がある唯一の食材は「魚」

次に、不整脈に対する食事療法として、積極的に摂りたい食材を紹介します。不整脈の予防や改善に効果的で、唯一エビデンスのある食品は「魚」です。これは、2004年アメリカの専門誌に発表された論文により、明らかになっています。

 

この論文によると、4,815人を対象に12年間経過観察をしたところ、980人が心房細動を発症しました。そして、魚料理を週に1~4日、または、週に5日以上摂取する人は、まったく摂取しない人に比べて、心房細動発症のリスクが、それぞれ0.72倍、0.69倍でした。

 

魚にはDHAとEPAという良質な油が含まれています。これらは人間の体内でほとんど作られず、食事でしか摂取できないため、必須脂肪酸ともいわれています。動脈硬化を抑制する作用があるため、不整脈のリスクが低下すると考えられています。

 

高血圧に対する食事療法は、不整脈にも効果がある

心房細動の要因は、「加齢」「心疾患(高血圧、狭心症、心筋梗塞、弁膜症、心筋症)」「飲酒」です。このなかでも、高血圧は心房細動の発症リスクを1.4倍に上昇するといわれており、特に注意が必要です。

出典:Am J Med. 1995;98:476-84

 

そのため、心房細動など不整脈を予防するために大事なのは、高血圧をいかに防ぐかということです。すなわち、「高血圧に対する食事療法は不整脈にもいい食事である」といえるでしょう。

不整脈や高血圧予防に役立つ食事に対する7つの意識

不整脈や高血圧の予防には、次の7つを意識することが大切です。コツコツと継続することで、確実に体は変わってくるはずです。

 

①減塩

塩分摂取と血圧に関する研究はさまざまありますが、もっとも新しいのが2021年、アメリカの専門誌に掲載された論文「塩分摂取と血圧に関する85の研究をまとめたメタ解析」です。

 

塩分摂取量が0.4〜7.6g/日という生活を4週間〜36ヵ月実施したところ、塩分摂取量と血圧は明らかな比例関係にあることがわかったのです。特に高血圧の人ほど、減塩による降圧の程度が大きいということです。

 

特に日本人は食塩に感受性のある人(=食塩摂取量が血圧に反映しやすい人)が多いため、減塩の効果は非常に大きいと期待されます。

 

血圧が高いと不整脈などの心疾患を招くだけでなく、脳出血、脳梗塞、糖尿病などのリスクも高まります。まずは「1日どれくらいの塩分を摂取しているのか」を把握し、減塩を意識してみてください。

出典:Circulation. 2021;143:1542–1567.

 

②カリウム

次に、高血圧に対する食事療法で重要な栄養成分はカリウムです。塩分とは異なり、カリウムの摂取量と血圧は、負の正相関にあることがわかっています。つまり、カリウムを多く摂取すればするほど、血圧が下がりやすいということです。

 

カリウムには体内の余分なナトリウムの排出を促す効果があるため、血圧が降下したり低いまま安定したりするのです。野菜や果物にはカリウムが多く含まれているので、積極的に摂取しましょう。

 

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。