男女で、学歴で、企業規模で……会社員の給与は、さまざまな条件で差が生じますが、なかでも問題になっているのが、正社員と非正規社員の格差。そこは「理不尽」というしかないケースも。みていきましょう。
40代・会社員の平均給与は月44万円だが…同年代・非正規「正社員と同じ仕事をしてるのに…」涙が止まらない、驚愕の手取り額 (※写真はイメージです/PIXTA)

正社員と同じ仕事をしても…非正規社員たちの悲痛

同じ40代前半で、同じ大学卒。それでも正社員と非正規社員で2倍もの給与差になっている……もちろん仕事内容も違うでしょうし、給与差が生じるのは当たり前のこと。ただこの世代の非正規社員はキャリアとしては十分なため、正社員と同じような仕事をしている非正規社員も珍しくありません。そうなると2倍もの給与差は大問題になります。

 

正社員と非正規社員の待遇格差をなくすために、「同一労働同一賃金」が2020年4月1日から施行され、2021年4月からは中小企業も対象になりました。これにより、正社員と同じルールや職務内容で仕事をしていれば、雇用形態に関わらず、同じ賃金を支払わないといけない、というもの。非正規社員でも正社員と同程度の仕事量、仕事内容であれば、同じ待遇で扱わないといけないのです。

 

これで非正規社員でも大丈夫……そう思った人も多いかもしれませんが、実際はどうでしょう。それほど待遇は変わっていない、というのが現状ではないでしょうか。

 

というのも、この制度は非常にアバウトなもの。企業側が「同一ではない」と判断すればそれまでのことで、「なぜ給与差があるのか」を明確に説明できるのであれば、法律違反ではないのです。なんとでも言い訳ができる制度、といっても過言ではないでしょう。それでもおかしいというのなら、訴えるしかないのですが、そんな余裕がある非正規社員は稀でしょう。

 

——正社員と同じ量の仕事をしているのに……おかしいぞ

 

そう思ったとしても、なかなか給与差は埋まらず、ただただ涙するしかないのが実情です。