住宅ローン返済時は、経済環境の少しの変化で家計が崩壊してしまう「破綻予備軍」になりがち。そうならないためにも「収入を増やすこと」が重要です。本記事ではさまざまある「収入を増やす方法」のうち「投資」の有効性について考えていきます。
 住宅ローンで陥る「破綻予備軍」…優先すべき対応策は「投資」ではない理由【住宅専門FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

収入を増やすための現実的な方法

会社員世帯が収入を増やすための方法は、いくつか考えられます。

 

・副業(自分でビジネスをする)

・ダブルワーク(アルバイトなどで時給を稼ぐ)

・転職する、昇進する

・妻がパート勤務の場合、フルタイムで働く

 

このなかでは副業を持つことが最も現実的でしょう。特に40歳以上の会社員の方には選択肢のひとつとして提案することがあります。 ただし20代の方には副業はお勧めしません。家計が苦しいのであれば支出の改善が優先です。20代は本業の知識経験を積み上げるべき時期であり、副業に時間を費やすべきではないと思っています。20代の時期の頑張りで昇進、昇給も期待できるため、副業は避けるべきでしょう。

 

しかし厳しい言い方にはなりますが、40歳を超えると会社員としての将来が良くも悪くもみえてしまいます。もう昇進は期待できないな、転職しても収入が上がることはないな、と見極めが出来てしまうのです。 40歳を超えたら会社員としての責任を果たしつつ、副業で収入を上げていくことを考えても悪くありません。

 

勤務先で兼業を許可されているかを確認

従業員が兼業することを許可する企業は、大手を中心に増えている傾向です。推進はしないが条件付きで許可するというスタンスです。 一方で例外なく許可しない企業は多くあります。それはなぜでしょうか。

 

・副業が本業の隣接業界である場合、利益相反の危険がある

・本業の顧客からの信用を失う

・労働時間や健康状態を管理できない

 

などの理由が挙げられます。たとえば本業と競合関係にある企業の代理店になると利益相反の状況になります。これが本業の顧客に発覚した場合、深刻な信用問題が発生する危険があります。 また、ネットワークビジネスなど社会的評価を得るのが難しい副業を始め、本業の顧客や 取引先に対して勧誘を始めたらどうなるか、想像に難くありません。

 

副業による過労によって本業での就業中に倒れた場合、責任の所在を明確に出来なくなります。 不動産投資のように大きな借入をレバレッジして稼ぐ方法では、もし自己破産に追い込まれると法律で本業の業務を制限されることもありえます(警備員、生命保険募集人、宅地建物取引士など)。

 

このようなリスクを避けるために多くの企業は兼業を許可しないのです。 副業をする場合は、勤務先に詳細を伝え許可を取ることが必要であるのはいうまでもありません。無許可で副業をする人のほうが多いのが現実ですが、本業を失ったら本末転倒です。