「メガネ店の視力検査と眼科の視力検査」は何が違う?眼科医が教える「目にいいメガネ」を作る手順

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「メガネ店の視力検査と眼科の視力検査」は何が違う?眼科医が教える「目にいいメガネ」を作る手順
(※写真はイメージです/PIXTA)

「目にいいメガネ」を買うには、どうすればよいのでしょうか? メディアでお馴染みの眼科専門医・平松類医師が、メガネ作りの注意点を解説します。

メガネは「2年ごと」に見直そう

■「今のメガネでも見えるから、買い替えなくていい」は早合点

メガネを作ったら、何年もそのメガネ一つで過ごしている。そういうことはないでしょうか? 「度数が変わっていないからメガネは変えなくていい」。そんなことはありません。メガネにはコーティングというものが施されており、これによりメガネのレンズがほこりなどで汚れにくくなっています。また紫外線をカットしてくれる機能のついたメガネもあります。

 

このコーティング機能が、物にもよりますが2年程度で劣化するメガネがあります。そのため2年経ったらメガネの状態を確認するようにしたほうがいいのです。そもそもコーティングが剥げていないのか? 度数が変わっていないのか?ということです。

 

近視というのは大人になったら進まないものと思っている人がいますが、大人になっても進行することがあります。特に近視が非常に強い人の場合は顕著です。また、急にPC作業など手元の作業が増えたという場合も、近視が進みやすい傾向にあります。

 

またメガネというのは、合わないものを使っているとそれだけで体調不良を起こしてしまいます。しかし「メガネが原因で体調不良になっている」というのはなかなか気づかれにくいもの。なぜならば、合わないメガネでもまったく見えないわけではないからです。メガネをかければそこそこ見える。けれども見えにくいので目に負担をかけている。そんな状態だからこそ、体調不良になってしまいます。

メガネを作るなら、まずは「眼科」で視力検査しよう

■「眼科の視力検査」と「メガネ店の視力検査」は何が違う?

「メガネを作るとき、基本的にはまず眼科に行ってください」。こういうと、「眼科医だからそういうんだろう。ポジショントークだ」と思われるかもしれません。眼科の場合はメガネ店と比較すると待ち時間も長く、丁寧な接客というのもあまり感じられないでしょう。

 

しかし、老眼だと思っていたら緑内障だった。近視だと思っていたら網膜剥離があった…というケースがあります。残念ながら、メガネ店には病気を診断するという機能はありません。そのため目の不調を感じたら、目に本当に病気がないかどうかをまず調べていただきたいのです。特に近視の人の場合は、網膜剥離・緑内障などの病気が出やすいことがわかっています。

メガネを作るときの順番

■「フレーム選び」「視力検査」「レンズ選び」、どれから行うべき?

一般のイメージでいうと、まずはフレームを選んで、次に視力検査、最後にレンズを選ぶという流れで進めるケースが多いかと思います。

 

これは、メガネ店に行くとまずは気に入るフレームを見つけて、それからメガネを作るというケースが多いから致し方なくこのようになっているのでしょう。

 

けれども、そのお店でメガネを作ることが決まっているのであれば、できれば「視力検査をする→作るメガネの種類(遠近両用か遠くを見る用か等)を決める→レンズを選ぶ→フレームを選ぶ」という順番で進めることをおすすめします。

 

なぜ先に視力検査をするのかというと、視力検査をしてみて「そもそも病気だった。メガネを選んでいる場合じゃない」というケースがあるからです。目の異常をチェックし、矯正視力(メガネをかけた視力)が1.0とか出るのであれば、メガネを選ぶことができます。

 

次にフレームを選びます。フレームを選ぶ際も、まずは遠近両用を作るのか? それとも「近くを見るメガネ/遠くを見るメガネ」を作るのか?を決めます。そしてその後にフレームを選びます。理由としては、たとえば縦幅の細いフレームを選んでからそれを「遠近両用にしよう」と決めるのでは、メガネの機能が落ちてしまう傾向にあるからです。

 

眼科で処方箋をもらった上でメガネを作る場合は、この「視力検査→作るメガネの種類を決める」までのフローは処方箋によって完結します。

メガネ作りでお金をかけるべきは「レンズ」

■単に高ければ高いほど「いいメガネ」というわけでもない

メガネというのは、ある程度までは値段と最終的な出来のよさは比例しています。すごく安いレンズ・フレームの場合はレンズも選べるものに限度があるし、フレームもしっかりとしたものを選べなくなります。

 

とはいっても、高価なほどいいメガネか?というと、そうでもありません。たとえばハイブランドのフレームでメガネを作ったところで、フレームが軽いとかラクになるというわけでもなく、レンズ性能も高いわけではないので見えやすいわけでもありません。まずお金をかけるべきはレンズです。

 

近視が強い人などの場合は特に、レンズの厚みを薄くするなどにも費用がかかってしまうし、軽いレンズにするのにも費用がかかってしまいます。

 

また、レンズには性能があります。球面レンズ・非球面レンズといいますが、一般的に非球面レンズは球面レンズと比較して性能が高くなりますが、そのぶん値段も高くなります。また、その非球面レンズの中でも高額なレンズは、安い非球面レンズと比較して性能が高いということになります。これはカメラを買うときに似ています。値段が上がればレンズの性能も上がり、それに応じて見やすさが出てくるというものです。

 

 

メガネとは、選び方を間違って作ってしまうと、それによって体の不調も起こしてしまうものです。カッコよさや値段という点も重要ですが、「健康第一」で考えて、まずは“不調を起こさないメガネ”を作っていただければと思います。

 

 

平松 類

眼科専門医・医学博士

二本松眼科病院 副院長