日本のサラリーマン…給与最上位組(年収1,850万円超)はわずか0.7%
一方で、一般のサラリーマンの給与はどれくらいなのでしょうか。厚生労働省『令和3年 賃金構造基本統計調査』でみていきましょう。
大卒サラリーマン(男性正社員、平均年齢42.1歳、勤続年数13.5年)で月42万5,800円。手取りにすると34万8,000円ほどになります。さらに賞与を加えた年収は、推定647万8,000円。さらにその給与分布をみていくと、ちょうど真ん中である中央値は月34万3,600円。上位25%で46万8,400円、上位10%で62万0,700円です。
国会議員と同様、年収2,200万円のサラリーマンがいたとすると、月収は145万円になる計算。前出厚労省の調査では、月収区分の上限が「120万円以上」なので単純な比較はできませんが、月収が最上位(推定年収1,850万円以上)のサラリーマンはわずか0.7%しかいないことから、いかに国会議員の給与が高水準だということがわかります。
とはいえ、サラリーマンとは比べものにはならないほど重責を担う国会議員。年収2,000万円超えは高くはない、という声が目立ちます。ただし「国会議員が高給なのは当然。しかし議員が多すぎる」という声も多く聞かれます。実際はどうなのでしょうか。
IPU(Inter-Parliamentary Union)の資料によると、日本の国会議員の数は世界で9位。先進7ヵ国でみていくと、イギリス(世界2位)、イタリア(世界3位)、フランス(世界4位)、ドイツ(世界6位)に次ぐ順位。一方、国会議員1人当たりの人口では、日本は17万7,990人で世界20位。日本は世界的には国会議員は多い国ではありますが、先進国のなかでは国会議員の少ない国といえます。
【先進7ヵ国「議員1人当たりの人口」】
1位「アメリカ」61万8,1700人
2位「日本」17万7,990人
3位「ドイツ」10万3,150人
4位「カナダ」8万8,380人
5位「フランス」7万2,860人
6位7「イタリア」6万2,750人
7位「イギリス」4万7,170人
出所:IPU(Inter-Parliamentary Union)2022年
もちろん、国会の運営の方法など、国によって違いますから、一概に数だけで比較することはできません。ただ、これだけ批判が多いのは「働かない議員ばかりが目につく」ということでしょう。経済が低迷し、不安感が増していくという状況下、国民のためにしっかりと仕事をしてくれる議員が、ひとりでも多く増えることを願わずにはいられません。