文部科学省によると、2021年度の大学進学率は54.9%。もはや、大学進学が当たり前になりつつありますが、ネックになるのは“お金”。なかには費用を工面できずに……というケースも。そこで役に立つのが奨学金ですが、そこにも落とし穴が。みていきましょう。
手取り25万円…私大出身の30代会社員「後悔しています…」と嘆く「奨学金返済額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

いまどきの大学生…1ヵ月の生活費は?

独立行政法人日本学生支援機構『令和4年度学生生活調査』によると、2020年の大学生(昼間部)の学生生活費(学費+生活費)は181万円。学校の種別で見ていくと、学費との合計では私立大学が国公立を大きく上回るものの、生活費だけに限ると私立大学が最も少なくなっています。

 

また自宅からの通学か、それとも下宿からの通学かによって学生生活費は大きく異なり、国立大学であれば74万円、公立大学なら69万円、私立大学なら71万円、下宿からの通学のほうが費用はかさむ結果に。また下宿生の生活費(学生生活費-学費)だけに注目すると、国立大学では7.4万円、公立大学では7.6万円、私立大学では4.0万円。なかなか厳しい生活事情がみえてきます。

 

【国立・公立・私立「学生生活費」】

国立:59万2,000円/83万9,800円/143万1,800円

公立:60万5,000円/76万7,900円/137万2,900円

私立:131万0,700円/61万7,900円/192万8,600円

 

※数値左より、学費、生活費、学費+生活費

 

【自宅通学・下宿通学「学生生活費」】

国立:「自宅」98万7,100円/「下宿」172万1,800円

公立:「自宅」99万3,000円/「下宿」168万9,000円

私立:「自宅」170万4,800円/「下宿」241万4,300円

 

出所:独立行政法人日本学生支援機構『令和2年度学生生活調査』

 

一方で大学生の収入は、「親からの仕送り」が114万5,000円、月に9万5,000円ほど、「アルバイト収入」が36万7,000円、月3万円ほど。2020年はコロナ禍1年目という特殊事情があり、アルバイト収入は前年度から3.5万円ほど減少。このことから考えると、いまどきの平均的な大学生は、親の仕送りとアイバイト代、合計月15万円ほどで暮らしていると考えられます。