大企業であれば2,000万円を超えるといわれている退職金。「長い間、頑張ってきたなあ」と、感慨にふけるなか、思ってもいなかった事態に陥るケースがあるといいます。みていきましょう。
退職金2,000万円…「勝ち組確定の元・会社員」、退職後に悶絶する「知らなかった」ではすまされない悲劇 (※写真はイメージです/PIXTA)

経団連調べ…60歳平均退職金「2,243万円」

一般社団法人日本経済団体連合会が2年ごとに行っている『退職金・年金に関する実態調査』によると、標準退職金の支給額は、大学卒・総合職(勤続年数38年)で2,243万3,000円、高校卒(同42年)が1,953万0,000円でした。

 

【大卒総合職の標準退職金】

60歳(勤続38年):2,243.3万円/38.1ヵ月

57歳(勤続35年):2,085.8万円/36.1ヵ月

55歳(勤続33年):1,931.8万円/32.4ヵ月

52歳(勤続30年):1,649.1万円/29.7ヵ月

47歳(勤続25年):1,209.0万円/23.1ヵ月

42歳(勤続20年):822.3万円/17.8ヵ月

37歳(勤続15年):519.8万円/13.2ヵ月

32歳(勤続10年):288.6万円/8.6ヵ月

27歳(勤続5年):116.9万円/4.3ヵ月

25歳(勤続3年):64.7万円/2.7ヵ月

23歳(勤続1年):25.9万円/1.2ヵ月

 

出所:一般社団法人日本経済団体連合会『2021年9月度退職金・年金に関する実態調査』より

※数値:左は会社都合の場合の退職金額(退職金一時金のみ、退職一時金と年金併用、退職年金のみの場合の額を合算し、単純平均したもの)、右は支給月数(所定労働時間内賃金(2021年9月度標準者賃金)をもとに算出

 

厚生労働省『平成30年就労条件総合調査』によると、退職金制度の導入率は8割強。多くの企業が採用しています。退職金制度があると、従業員の勤続年数を伸ばしやすく、企業PRに繋げやすいというメリットがある一方で、退職金制度がないとその費用を工面する必要がないというメリットも。そのため、退職金制度のない企業は増加傾向にあります。

 

老後の資産形成も多様化し、退職金に頼るのはナンセンス、という意見も。とはいえ、40年近くも会社員を続けてきた人にたちにとって、最後のご褒美となる(実際は従業員自身が積み立ててきたお金、という意味合いが強いものですが)退職金は、もらえるのならもらいたい、というのが本音でしょうか。