2025年には5人に1人…増加する「高齢者の認知症」
ご存知の通り、わが国は世界一の長寿国であり、人生100年時代を迎えようとしています。認知症と共に生きる高齢者の人口は今後も増加し、2025年にはなんと高齢者の5人に1人、国民の17人に1人が認知症になるものと予測されています。
また、「65歳以上の独居高齢者の世帯」は高齢者世帯の49.5%と多くを占めており、今後も徐々に増え続けることが予想されています。そのため、今後は「独居高齢者の認知症」が増え、さまざまなトラブルに発展する可能性が危惧されているのです。
「独居高齢者の認知症」が増えることによる問題点
認知症の早期発見が難しく、症状が進行しやすい
家族と一緒に暮らしていれば、「物忘れが多い」「行動がおかしい」など、認知症の初期症状に早い段階で家族が気付くことができますが、独居の場合異変を指摘できる人がいないため、症状が進行していても気づくことができません。
金銭管理お金の管理ができなくなり、ガスや水道などライフラインに関わる支払いができずに、未払いで止められるケースもあります。また、判断力が低下しているため、むやみに高額な商品を買ってしまうこともあり、詐欺などにも遭いやすいと言われています。
身体的な健康への影響
認知機能の低下から自炊ができなくなったり、同じものを食べ続けたり、賞味期限切れのものを食べてしまう場合もあります。また、服薬管理ができず、処方薬の飲み忘れ、あるいは過剰摂取などのリスクも増加します。
火事や中毒など事故の恐れ
認知機能が低下し、注意力が低下すると事故のリスクが高まります。
キッチンでの火の消し忘れやお風呂のガスや暖房器具をつけっぱなしにするなど、火やガスの不始末は生命の危険につながる可能性があります。また、タバコがガスに引火するなどの事故のリスクもあります。
隣人とのトラブル
認知症の種類によっては、人間関係を維持するために必要となる高度な判断能力が低下するため、社会的に不適切な行動を取ってトラブルとなることがあります。
暴言や暴力、ゴミ出しが難しくなるためにゴミ屋敷のようになってしまうなど、トラブルになるケースも出てきます。また、特定の認知症では被害妄想やもの盗られ妄想によるトラブルも少なくありません。
このように、独居高齢者の認知症には本人および周辺社会にとって非常に大きなリスクがあるのです。
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