“安すぎる治療”に要注意…「偽薬」の可能性も
インターネットなどを見ていると、相場よりもかなり安いAGA治療薬を広告表示しているクリニックを見かけます。
もちろん、クリニックの企業努力により正規国内医薬品を患者さんに安く提供しているというのであれば素晴らしいことだと思いますが、一部では「海外製医薬品を安く処方している」という噂も耳にします。
インターネットで横行している医薬品の個人輸入というのも問題になっていますが、インターネットを介した海外製医薬品については「半数近くが偽薬」という調査結果があります。厚生労働省も、有害事象の可能性について注意喚起をしています。
事実として、筆者のクリニックでも10年間以上個人輸入で海外医薬品を飲み続けた結果、明確にAGAが進行してしまった患者さんを何人も確認しています。
安いことが悪いとはいいませんが、薄毛の悩みに付け込んだ詐欺的な商法もあり得ますので十分に注意してください。
クリニックの「言い値」で決まる診療費…正しい知識でコスパのいい治療を
先述したように、AGAの根本的治療薬であるフィナステリドの費用の相場は1ヵ月あたり約6,000~8,000円です※。
※ 筆者のクリニックでは5,610円(税込み)で処方
AGA進行早期の方であれば、この薬だけで十分に20歳の状態に戻りますし、明らかな薄毛になる前から治療を始めれば、日本人のデータ上99%将来的に薄毛が進行することはありません。
患者さんによっては進行度や改善度に応じて追加治療を希望されることもあるでしょうが、筆者のクリニックでは追加治療を合わせても1ヵ月あたり1万円を超えるAGA治療はありません。(植毛手術は除きます)
他クリニックなどで、AGA治療について余計な追加治療を強要され、高額な年間契約や医療ローンなどに困り果てて筆者のクリニックに相談に来る患者さんも後を絶ちません。
自費診療には費用についての明確な基準がなく、クリニックの言い値次第、患者さんとの契約次第で金額が決まります。同じ治療薬を使うのであれば、高額でも相場の金額でも治療効果は変わりません。
余計な追加治療を追加しても金額が増えるだけで、明確な効果の差があるかはなんともいえません。余計な治療や浪費をしないよう、できるだけ正しい知識を持って治療先・治療方法を選んでみてください。
栁澤 正之
東京メモリアルクリニック
院長
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