(※写真はイメージです/PIXTA)

AGA治療は保険のきかない自費診療であることから、費用面を心配して受診を迷っている人も少なくありません。しかし、現在では価格が低下し、自費診療であっても金銭的な負担が減っていると、東京メモリアルクリニック院長の栁澤正之先生はいいます。AGA治療に関する「ほんとうの相場」について、詳しくみていきましょう。

追加治療は慎重に…「費用対効果」をよく考えて

AGA(薄毛)は根本的治療薬(フィナステリド・デュタステリド)で明確に改善することは証明されていますが、薄毛の進行度や経過年数次第で「完全に治りきらない」こともたしかにあります。

 

そのようなときには追加治療を行うこともあるのですが、追加治療の選択には注意が必要です。

 

まず、優先される追加治療としては「ミノキシジル外用剤(塗り薬)」があります。ミノキシジルも明確な改善効果が証明されていますので、薄毛がより早く改善したり、治りきらない薄毛でももう少しよくなったり、文字通り追加の改善効果が望めます。

 

しかし、まず注意していただきたいのは、あくまで追加治療であり「必須の治療ではない」ということです。

 

また、ミノキシジル治療だけ行っていても(一時的には薄毛が改善しますが)AGAの根本原因であるDHTはほったらかしですので、5年~10年後にはAGAが進行してしまうと考えられています。

 

追加治療で効果は上乗せされますが、費用も上乗せされてしまいますので、効果に見合った費用なのかどうかも十分に検討してください。

 

ミノキシジル外用剤のほかにも、「アデノシン」「赤色LED」という追加治療もガイドライン上で医学的な根拠をもとに推奨されてはいます。しかし、フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルに比べると世界的な実績や研究数からも推奨度は比較的低いといわざるを得ません。

 

追加治療を選ぶ場合は、治療優先度を確認したうえで費用も含めよく考えるようにしてください。

「植毛手術」は薄毛治療の最終手段

AGA(薄毛)は厳密には病気とはいえませんが、ほかの病気と同じように進行すればするほど治りにくく、また治るのにも時間がかかるようになってしまいます。どんなに進行していたとしてもAGA治療薬で間違いなく改善はするのですが、やはり希望通りの状態まで治りきらないこともあります。

 

そんな場合でも、薬による治療効果を超えて薄毛状態を改善させることができるのが「植毛手術」です。

 

植毛手術はガイドライン上も推奨されており、世界的にもスタンダードに行われている治療法のひとつです。AGAになりづらい後頭部の毛(毛根)を足りない部分に移植することで、ご自身の希望する分だけ薄毛を改善することができます。

 

効果は確実ですが、手術であることから費用も「数十万円~百万円前後」と高額になってしまいます。

 

また、植毛手術は移植手術ですので、手術を行う執刀医の技量に大きく左右されます。植毛手術を検討する場合には、費用も含め信頼できるクリニックで医師と十分に相談するようにしてください。

 

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