30代で給与の上昇率が鈍化…結婚をデメリットに感じる女性会社員
「結婚のデメリット>結婚のメリット」と感じる人が増えている昨今。特に結婚に魅力を感じない女性が増えています。それは所得に注目しても明らか。内閣府男女共同参画局『女性活躍・男女共同参画の現状と課題』によると、男性は既婚のほうが、女性は未婚のほうが所得は高い傾向にあると指摘しています(図表)。結婚をすると女性のほうが何かと制限が増える現状を考えると、当然といえば当然なのかもしれません。
厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、大卒男性の平均月収(きまって支給する現金給与額)は42万5,800円、手取りにすると31万~32万円。それに対し女性は31万7,900円、手取りにすると24万~25万円。年齢による推移をみていくと、男性は年齢が上がるにつれて給与は上昇し、50代で50万円超え。その増加率は各年代110%前後です。対し女性も年齢共に給与はあがり、50代前半で43万円ほどとピークに。各年代の増加率は男性より低く、特に30代は男性と比べて10ポイント近くの差に。
【大卒会社員年令/男女別「月収」の推移】
20~24歳:255,100 円(ー)/245,700 円(ー)
25~29歳:307,400 円(120.5%)/280,400 円(114.1%)
30~34歳:358,000 円(116.5%)/304,000 円(108.4%)
35~39歳:411,700 円(115.0%)/327,000 円(107.6%)
40~44歳:446,200 円(108.4%)/359,200 円(109.8%)
45~49歳:483,500 円(108.4%)/374,900 円(104.4%)
50~54歳:533,200 円(110.3%)/435,800 円(116.2%)
55~59歳:533,200 円(100.0%)/421,200 円(96.6%)
出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より
※数値は左より大卒男性、大卒女性の「きまって支給する現金給与額」、(かっこ)内は増加率
「結婚しても仕事を続ける」が当たり前になりつつありますが、まだ結婚を機にキャリアが停滞する女性が多いことが物語っています。このような状況では「結婚するなんて意味がない」という女性が多くても仕方がありません。非婚化志向は加速しそうな気配。関連して少子化や経済成長の鈍化なども加速していくでしょう。このままでは、絶望的な未来しか描くことしかできません。