片目の視力低下に気づくには?セルフチェックの方法
下記の方法を月に1回は行っていただけると、早めに病気を発見することが可能になります。
<①カレンダーチェック>
1つはカレンダーを使った方法です。30cm程度離れて、カレンダーに向かって正対します。右目を隠して、左目でカレンダーの中央部分の文字を見ましょう。まずは文字が読めるか? 変に見えないか? 欠けていないか?をチェックします。
次に、真っすぐ見たまま目を動かさずに、周辺も見えているかを確認しましょう。どこまで見えていればいいのか?というのは、先月と比較して大きく変わらなければいいと考えてください。
<②視力検査>
右・左・上・下という視力検査があればそれを使います。視力検査表にはいろいろあって、正式な視力検査表はその表を貼り、表から5m離れて検査をするものです。しかしセルフチェックでそこまでする必要はありません。近見視力といって手元の視力を測る検査表などもあります。ネットには色々あるので、それを見ていただいてもよいと思います。先月と比較して視力が0.2以上落ちたか、手元の視力が0.7を切ってきたら、何らかの病気を疑って眼科で検査を受けることが必要になります。
<③アムスラーチャート>
図表2のように、黒字に白で縦横の線があるものをアムスラーチャートといいます。顔から30cm程度離して真ん中を見つめます。右目を隠して左目、左目を隠して右目というように片方ずつチェックして、右目と左目の見え方に異常はないか? 欠けて見えることはないか? 歪みは去年より強くなっていないか?ということを確認していただければと思います。
このようなセルフチェックの方法も大切ですが、何よりも「片目ずつ見えているか」を確認する習慣をつけるだけでもかなり効果的です。月に1回は、右目を隠して左目、左目を隠して右目で見てみて、左右に差がないかどうかを確認しましょう。
目が大切ですか?と聞くと多くの人は「大切です」と答えてくれます。では「何かしていますか?」と聞くと、何もしていない人が多いです。せめてセルフチェックをしてみるなどして、自分の視力が保たれているかどうかだけでも確認してみていただければと思います。
平松 類
眼科専門医・医学博士
二本松眼科病院 副院長