米国を筆頭に世界的なインフレ圧力が高まるなか、24年ぶりのドル円水準や、日用品の値上げ等が世間を騒がせています。こうした投資環境について、プロトレーダーはどのようなスタンスでいるのでしょうか。株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が解説します。
円安に「喜ぶ人」と「不安になる人」…プロトレーダーはどちらか【投資のプロが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

円高でも円安でも“大変”を煽るマスコミ…一喜一憂はNG

さて、考えてみれば少し前まで、「円高で輸出業者が苦しんでいる」「日本は何十年も物価が上がっていない『安い国』になってしまった」という声があったのを覚えていますか?

 

また、いまと比べて株高になっていたときには、「株を持っている一部のお金持ちだけが得をして、庶民との格差が増す一方だ」という声もあったようです。

 

「本当は円高がいい」「物価は上がるのがいい」「株も高ければ高いほどいい」ということを述べたいわけではありません。結局、円安でも円高でも、物価高でも物価安でも、株安でも株高でも、それぞれの立場や状況によって得をする人も損をする人もいる、ということなのです。

 

そして、損をする人の声を増幅し、「大変なことが起きている」と大衆の感情を刺激するのが、マスコミの役割といえます。

 

そういうニュースを報じないと注目を得られない(=利益が上がらない)という現実があり、それは仕事として仕方がない面もあります。ニュースはある意味娯楽の一種ですから、「大変なことが起きている」といった情報を欲している人のニーズがあるともいえるのです。

 

そのため、投資をする人は、それに一喜一憂してはいけません。ちゃんと数字を読み、その局面で有利なのはどんな企業なのかを考え、冷静に投資をするようにしてください。

 

 

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO

川合 一啓